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瞬時のやり取りが多い念能力者同士の戦いは、長いようで短い。
体感では、一時間以上すぎたように思えるほどの密度の高いやりとりであったが、実際には三十分も経っていないのだろう。
「(フィンクスたちはもうここを出た頃だろうか。)」
クロロがそんなことを考えながら拳をいなした瞬間、マチの念糸が男の右手に絡みついたが、すぐさま男は手刀で切った。
念糸はマチ離れれば離れるほど強度が落ちるとはいえ、10メートルほどの距離を取っている今でも鎖ほどの強度があるはずなのだが。
男が念糸に気を取られた瞬間、クロロは具現化した本を閉じて男の懐に飛び込んだ。
接近戦に持ち込まねば、とてつもない威力の念弾を打ち込まれてしまう。
すでにこの展示場は、先程打ち込まれた念弾によって床に大きく穴が空いていた。
男は飛び込んできたクロロに拳を下ろそうとした。
その腕に手を添え軌道を横にズラし、男の溝内へ拳を叩き込む。
男の体は数メートル後ろへ飛んだが、片手でガードされていたようだ。
男とクロロの視線が、数メートルを隔ててかち合う。
その数秒の静寂、遠くでパトカーのサイレンが聞こえることに気が付いた。
「(…そういえば、1時間警備状況の更新がないと、自動的に通報するシステムだったな…)」
会場の窓の外の闇が光で揺れた。もう敷地内までパトカーは来ているようだった。
「(撤退しなければ…)」
面倒なことになったものだ。
裏世界の住人として、警察が怖いわけではないが、奴らはコバエのように目障りで鬱陶しい。
男も光に気づいたようで、窓側にちらりと視線をやる。
「マチ！」
その瞬間、クロロは叫んだ。
マチの念糸がその声に弾かれるように男に飛んでいき、何重にも巻きつく。
そしてクロロの思考を読み取ったかのように、シャルとマチは会場の扉に向かった。
男は、巻きついた念糸に驚きもせず、抵抗もしない。
ただじりじりと距離を開けていくクロロにニヒルに笑いかけ、男も後ろへ一歩下がった。
「残念だが、タイムアップのようだ。」
男はため息をつきながら言った。
「ああ。本当に残念だ。」
クロロがそう言い切る前に、男は闇に紛れて行った。
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李紗(プロフ) - すごく好きです。続きをお待ちしてます。 (2022年3月24日 1時) (
レス) id: 8206f9b903 (このIDを非表示/違反報告)
みな - おもシロイデス!!!!更新楽しみです!!! (2020年11月25日 12時) (レス) id: f5cf3e679c (このIDを非表示/違反報告)
ユーリンチー - うわぁ！面白い！音楽の勉強にもなりますし！クロロ結構好きなので読んでいて楽しかったです！更新がんばってください！！ (2020年2月25日 4時) (レス) id: 2a371154bd (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごく面白くてさくさく読んでしまいました笑笑更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年10月2日 0時) (レス) id: dd6fe59e82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽへみあん | 作成日時：2019年9月25日 21時
