51話 継承者の判断 ページ9
「血の繋がり...か」
以前のメサイアの継承者である人と私に血の繋がりはない。だが、目の前にいるのは前継承者の孫にあたる人物だ。まあ、自分に継承させてもらえなかったのが悲しいんだろう。ただあいつはそんなんじゃない。力を手に入れて欲のために使おうとしている。
「ちなみにメサイアは血の繋がった人間しか継承出来ないものではないぞ。誰だって継承は可能だ」
「だったら尚更よ!あんたみたいな奴より私の方が継承者に相応しいわ!」
どこからそんな自信が湧いているのか不思議でしょうがない。弓すら触ったことないだろうってのに。
「メサイアの継承は弓の腕前や人柄を総合的に判断して継承者が決める。だから私はあんたが継承するに値しないと判断したから継承はしない」
「ふーん?」
さっきまで食い気味だったが一歩下がって言った。
「まあいいわ。でも、私にそんな発言したんだから、あなたの仲間がどうなるか...分かってるわね?」
「......」
まさかこいつ、妖怪探偵団に手でも出すつもりか。いや、まさか知っている訳ではないよな?まあいい。とりあえず面倒だから今は帰るか。
振り返ることもなく、家路を急いだ。
「知ってるんだからね?あなたの...」
ー
親の名前も、顔も、知らない。生まれてすぐに事故か何かで亡くなったそうだ。
そんな私を引き取ったのがメサイアの前継承者だ。あの人は私のことを孫のように大切に育ててくれた。妖術を使えるようにするために私の先祖が残した書物を探してくれたり、弓の鍛錬をしたり。それはもう、上げきれない程だ。私はそんな祖父が大好きだった。今の自分がいるのも祖父のお陰だと思っている。
そして、私はメサイアの継承者に選ばれた。血の繋がりもないのに。あの時の疑問は未だに解けていない。祖父は確かに血の繋がり関係なく継承することは可能だと言っていたが。
姉と母の反対は本当にすごいものだった。だがそれにも関わらず継承を実行したということはきっと、祖父の期待に違いない。私は祖父を信じて、使命を全うしよう。
偽りの祖父の期待に答えるため、今日も私は使命を背負う。
〜
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wrwrd96708562(プロフ) - とっても面白いです!!更新楽しみにしてますね!応援してます!! (2020年5月2日 18時) (レス) id: 17b0c69972 (このIDを非表示/違反報告)
Milkcat(プロフ) - コユキさん» ありがとうございます!更新できていなくてすいません、多忙で...これからもよろしくお願いします! (2019年9月7日 20時) (レス) id: 4abe78d695 (このIDを非表示/違反報告)
コユキ - 面白いです!更新頑張って下さい! (2019年9月5日 18時) (レス) id: 2674e8aa46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Milkcat | 作成日時:2019年8月24日 22時