50話 平穏 ページ8
数日後。トウマや妖怪探偵団を巻き込みたくないがためにあれ以降は会っていない。ちなみに、不良との接触もあれ以降はなくなった。どうゆうことだろう。さっぱり分からないが、思い当たる節はある。避けたかったがそうも行かないらしい。仕方ない...
ソファから体を起こし、黒のパーカーを羽織る。斜めがけのカバンにハンカチやらお茶の入ったペットボトルやらパスケースを入れて家を出た。
神社の前でまた、憂鬱な気持ちになる。折角離れられたのにまた戻ることになるなんて。まあ長居はしたくない。さっさと用事は済ませるか。倉庫へ急ごう。
古びて錆の目立つ鍵を開けて中に入る。扉を閉めてから、近くにあるホコリのついたお札を手にし、妖力を込める。倉庫の周りに結界を張ったのだ。
どうしてこんなにこんなに厳重にしないといけないかというのも、この倉庫はメサイアの継承者しか中に入ってはいけないからだ。昔の書物やら先代の肖像画やらがある。メサイアのことや、かつてこの世界を襲った鬼神魔王についてのことを後世まで残しておいているのだ。だから、そんなに簡単に誰かに入られてはいけない。そのため紙は随分と古ぼけているが、状態は結構いい。
メサイアの本来の力を引き出す方法、何かないだろうか。書物を探していると気になる文献を見つけた。鬼神魔王を討ったという神竜についての記事だ。この竜は後にメサイアを人に授けたという。
もしかしたら、この竜と接触すれば何か分かるのだろうか。でもいたとしても妖魔界だろう。それは難しいな。到底行けるような場所じゃない。まあ、仕方ない。今すぐ何かできる訳はないな。帰ろうか。
順番が違った気もするが、最後にお参りをして帰ろう。そう思った時だった。
「あら、返しにでも来たのかしら。もの分かりが良くなったのね!」
「そんな訳があるか。倉庫に用があっただけだ。私は帰る」
まさかここに来て、会わないで済むなんて思ってはいなかったが、会いたくはなかったものだ。やはりメサイアを狙っている。
「倉庫に居たでしょ。確か倉庫の鍵も持ってたわよね。私によこしなさい」
「倉庫には貴重な文献が多く残されてる。そしてその管理はメサイアの継承者である私の役目だからそれは出来ない」
「それが間違ってるのよ!」
倉庫の鍵まで狙っていたとは思わなかった。こんな奴に渡す訳には行かない。
「あんた、血の繋がりもない癖にメサイアまで奪ってなんなの!?邪魔しないでちょうだい!」
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wrwrd96708562(プロフ) - とっても面白いです!!更新楽しみにしてますね!応援してます!! (2020年5月2日 18時) (レス) id: 17b0c69972 (このIDを非表示/違反報告)
Milkcat(プロフ) - コユキさん» ありがとうございます!更新できていなくてすいません、多忙で...これからもよろしくお願いします! (2019年9月7日 20時) (レス) id: 4abe78d695 (このIDを非表示/違反報告)
コユキ - 面白いです!更新頑張って下さい! (2019年9月5日 18時) (レス) id: 2674e8aa46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Milkcat | 作成日時:2019年8月24日 22時