再編成 ページ5
再評価の結果が、わかる時が来た。
不安で不安で仕方がないけれど、私も他のメンバーも大丈夫だと信じて待つしかない。
俯いてしまった私の手を握ってくれたのは、隣にいたヒチョンさんだった。
ヒチョン「大丈夫です。信じましょ」
「……うん」
前を見据えてそう言う彼は、眩しく見えた。私たちにカードが配られる前に、他のクラスからの練習生が。
川西さん、宮島さん、鶴房さんが上がってきてくれた。仲間が増えて嬉しい気持ちと、本当に私はAクラスを維持できているのかが不安になる。
でもきっと、大丈夫だと信じているから。皆が言ってくれたから、それを信じるしかない。
カードを渡されて、一斉に確認する。
「……!」
私のカードには、Aのスタンプが押されていた。ひどく安心した。
WARNER「クラスが変動した練習生は、移動してください」
その言葉で動いたのは、來良くんだった。心臓が止まりそうになった。
「…嘘でしょ?」
來良「……ありがとうございました」
そう言って礼をする彼を見て、涙が込み上げてきそうになった。でもまだ、弱い私を見せてはいけない。泣きたいのは私じゃなくて來良くんの方だ。グッと堪え、來良くんの元に駆け寄る。
「……なんで……」
來良「ごめんな」
「っ…一緒に残ろうって言ったじゃん……」
來良「っ…ごめん、ごめん…」
もっと私にも出来ることがあったんじゃないかって思ってしまう。そしたら、來良くんもAクラスに残れていたかもしれないのに。
「っ、ごめん、來良くん、ごめん…」
來良「なんでAが謝るんだよ…」
少し笑ってそう言う彼は、どこか強がっているように見えた。
「行かないで…」
來良「……また帰ってくるね」
行かないでと呟いた私の頭に手を置いてそう言った來良くんは、静かに部屋を出て行った。
「っ…、はあ…」
溢れてくる涙を我慢して、流さないように必死にカメラに背を向けた。
來良くんが出て行って、新しくAに来た練習生たちを歓迎する。
宮島「よろしくね」
「よろしくお願いします!」
宮島さんや鶴房さんは挨拶してくれたけど、川西さんはあまり話してくれない。
「宮島さんって1つ上ですか?」
宮島「そうだね。ていうか、優心って呼んでよ」
「優心くん?」
宮島「ふふ、うん。そうそう」
距離を詰めてくるのが上手い。優心くんとはすぐに仲良くなれた。
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想来(プロフ) - 欅坂時代からのオタク兼JAMの私からしたら最高すぎるお話です、、! (12月26日 13時) (レス) @page7 id: 5b3cd15d7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てん | 作成日時:2023年12月25日 0時