私を頂上へ連れてって【日プ無印】 (ページ39)

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「……っ、ぅ、」

？？「…こんなとこにおった」
「っえ、」

泣いていると、後ろから声がした。

「……祥生くん……？なんで…」
大平「探しとった。でもおらんくて、」

突然の登場に驚いて、涙は止まった。

大平「…聞いてほしいんやけど」
「…何ですか？」
大平「俺な、Aがおったからコンセプト評価頑張れたんよ」

初めて聞いた情報すぎて、頭の中がはてなだらけになる。

大平「……俺ら、放出されたやん。……でも、Aも全く同じ環境やったから、Aも今頑張ってるんやって思ったら自然と頑張れてん。最後までやり切れたんもAのおかげ。ありがとうな」

そんなことを言われてびっくりする。祥生くんがそんなことを思っていたなんて。

大平「…A、……俺らには次があるから。頑張ろうな」
「…っ、…はい」
大平「つらいよな。仲良かった仲間たちが一気におらんくなるんやもん。……A、ここでやったら泣いてもええで。俺、Aが泣ける場所になれるようになるな」

私が泣ける場所。もしかして彼は、私が一人で泣いているところを見て心配して来てくれたのだろうか。

「…私、ポジションで一緒になった時から祥生くんには割と本当の自分見せてますよ」

初めて泣いたのも祥生くんの前でだったことを覚えている。

大平「ほんま？」
「本当です。…祥生くんこそ、…私の前では弱音吐いてください。いくらでも受け止めるので」
大平「Aはほんまに優しくて強いな。…ありがとう」

彼はそう言って、私の頭を優しく撫でてくれた。

「……私、絶対デビューします」
大平「俺もする」
「祥生くんとデビューしたい。…絶対、祥生くんとデビューします。約束です」
大平「出来るで。俺らなら。叶えような」
「もちろん」

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もうこれで順位発表式が終わり、明日からはデビュー評価に向けての活動が始まる。今日で脱落する練習生とはお別れだから、今のうちにたくさん話しておかなきゃ。

「秀太くん」
浦野「A」
「…私は、秀太くんの優しい声が大好きです。コンセプトの時にもたくさん寄り添ってくれて、期間中は本当に秀太くんの優しさに救われてました。ありがとうございました」
浦野「…最後のステージを、Aと同じチームでやれて良かったよ。ありがとう」

もうこれで、終わりなんだ。本当に。まだ今日が終わってほしくなかった。