TRIP【#コンパス】 (ページ3)

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2 初めましてページ3

A｢ボイドール…？｣

そこには
白く大きなツインテールのような
部分がついた頭を見渡すように横に振り
楕円の目をぱちぱちさせる
あのスマートフォンの画面の中で見た
ロボットの゛ボイドール゛がいた

ついに私は可笑しくなってしまったか
前々から自分は変なやつだと思っていたけれど
ここまで狂ってしまったとは

こんな私でも次元の違うキャラクターに会えないなど理解していたはずだ

ではなぜ今目の前に異次元の存在がいるのだろうか
思考が追いつかなくて私は頭を抱え
その場にうずくまる

ボイドール｢ハジメマシテ｣

画面の中でしか見たことのないキャラクターがついに話しかけてきやがった

私の妄想はもう幻さえも見せるようになってしまったのか？

さらに意味がわからなくなって
挨拶すら返せない

ボイドール｢オドロクノモムリハアリマセンネ
Aサン｣

怖い、怖い怖い
私はもう身体が思うように動かなくなってしまってこの場から逃げることも出来なくなっている

ボイドール｢トツゼンデスガアナタハコンパスノヒーロートシテエラバレタノデス｣

私は完全に思考停止してしまっている
声は確かに聞こえるが言葉の意味を理解できない

ボイドール｢人間ハ、ムダガスキ、シッテイマス
Aサンモレイガイデハアリマセンネ｣

落ち着け、落ち着け自分
とりあえず話は聞こうと思い
すぐそこの机の上に置いてあったガラスのコップに入った水を飲んだ

水を飲んで少し落ち着いた私はとりあえず今まで言われた話や起こったことを思い出して頭の中でまとめる

私はヒーローガチャをまわそうと思ったが
画面が強く光り
突然目の前にボイドールが現れ
ボイドールの話によると私はコンパスのヒーローとして選ばれたらしい

完全に頭の可笑しい話だが妄想もここまで来ると
信じるしかない気もしてきた
今更現実に戻ろうったって無駄だ
私は妄想でもいい、救いになるなら信じようと思えた
私は落ち着きを取り戻しボイドールの話の続きを聞く