TRIP【#コンパス】 (ページ2)

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1 私という人間ページ2

とある日の自室にて

A｢えいっ、あー！負けた…｣

カーテンを締め切って薄暗い自室で私はコンパスをプレイしていた

家族は今家にいないから独り言も言い放題だ

A｢次は頑張ろ｣

下がったり上がったりするランクに少しうんざりするけれどプレイしなければランクは上がらない、

そう自身に言い聞かせ何度もアリーナへ向かっていたのだが何度も連敗している
今日は調子が悪いのだろう
少し気休めに私はホームに戻る

私の使用キャラはルチアーノとボイドールだ

ルチアーノに指を触れ微かに笑う

A｢かわいいなぁ｣

本当にコンパスのキャラクターたちが愛しい
死んでコンパスのヒーローとして生まれ変われるなら、私は喜んで死んでやる

それに対し現実はとっても虚しい
私は絵を描くのが好きで
周囲のみんなも上手だねって褒めてくれた

…それを信じきっていたのが悪かったのだ
世界を見れば私より絵を描くのが上手い人なんてたくさんいる

才能なんてなかったのだ

その上、昔の私は絵を描くのに夢中で
勉強なんて全くしなかった

そんな私の学力は小学生程度で止まってしまっている

残ったものは虚しさと無
私にとってそれを埋めるのがゲームなのだ

ふと、画面の右側に目をやると
何やらプレゼントが届いている

…ヒーローチケット

何の報酬か忘れてしまったけれど
いつもの事だ

私はガチャをまわそうと画面をタップした

何故かいつも緑の空間が赤く染まっていた
私は少し不思議に思ったが画面をタップする

…その瞬間画面が白く眩しく光る
何も見えない

A｢ｸﾞｯ…｣

強く瞑っていた目を少し開く
私の部屋が私の瞳にうつる

もう少し目を開くと
視界の端に白い何かが見え
驚き、目を大きく見開いた

そこに居たのは、間違いなく