きみを好きになって～S・O～３ (ページ5)

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智くんが

「松にぃ」

と呼んでいる松岡くんは、私の中では面倒見のいい男らしいという印象のひとだ。

もちろん智くんが先輩・後輩としてつき合っているんだから、いいひとなんだろう。

だから口に出た言葉は素朴な疑問。

だって２回とも松岡くんに誘われて、２回とも女の子が一緒って松岡くんの意図が丸見えじゃない。

「・・・まぁ・・・時々。
でも・・・悪気はねぇと思う。」

「きれいなひとだった？」

「・・・よく覚えてねえけど・・・。」

松岡くんの思惑は外れているわけか・・・。
智くんはその思惑に気付いていないのかな。

「断らないの？」

「・・・今回は・・・事務所に説明して・・・くれたみたいだし。
彼女いるって・・・知らないから・・・。」

智くんは松岡くんを悪く言わない。

だったら今回のことをあんまり聞かない方がいいのかな。

「じゃぁ、この話はもうおしまい。」

そう言うと、パッと顔を上げて目を合わせた。

「いいの？」

「終わったことだもの。
それともまだ・・・何かあるの？」

あるなんて言われたらイヤだなって思いながら恐るおそる聞くと

「あるよ！
Aの誕生日、いつ？」

「え・・・。」

まさかこの流れで誕生日を聞かれるとは思っていなかったから、思考が一瞬止まる。

智くんが口を尖らせて見つめてくるから、目を逸らせないよ。

「・・・なんで・・・今頃？」

「そーだよ、今頃だよ。
おいらの誕生日が過ぎたから、同い年になったの？ってみんなに聞かれて・・・誕生日知らないって初めて気づいた。
それはないなって・・・ぼろくそに言われちまった・・・。
もう過ぎちゃった？」

「1月２６日。
今同い年だよ。」

智くんのホッとしたようにふにゃんと笑う顔。

癒されるなあ・・・。

「みんなにAのことばれてるから。」

そしてまたまた爆弾を落とすんだ。