112 Sside ページ12
「翔さん、この後何もないならつき合ってくんない？」
収録後、楽屋に向かっていると前にいた松潤が振り向いた。
「・・・今日車だよ。」
松潤がおれを誘うことはあんまりないから、思わず目を見張る。
「翔さんしか場所知らないから、連れてってよ。」
「もしかして、アトリエ？」
隣りのニノが、前をとぼとぼ歩く智くんを見ながら話にのってくる。
「あのひと、あのままでライブ・・・まずいっしょ。
やる時はちゃんとやるひとだけど、出来れば集中してもらいたいし。
行くだけ行ってみて、もし会えたら、さ。」
「うん。ニノは？」
「あんまり大勢でいないほうがいいでしょう。
リーダーには？」
「あんまり期待させない方がいいんじゃない？」
「じゃあ相葉さんには言っておくから。
連絡よろしく。」
ドラマ撮影がある相葉くんは収録が終わると飛ぶように帰って行った。
彼だって心配してたから、教えておかないとね。
ニノが智くんの隣りに並んでちょっかいを出し始めた。
「リーダーの彼女ってどんなひと？」
車の中では、おのずと話題は智くんのこと。
「どんな・・・・って。」
容姿？
性格？
「おれが喋ったのはほんの15分ぐらいだけど・・・最初と最後で感じた印象が違う・・・かな。」
「リーダーのタイプじゃないって前から言ってたけど。」
「昔のね。・・・ほら、おまえよく言ってんじゃん。
好きになった子がタイプって。
智くんもきっとそうなんじゃない？」
昔から智くんの実力は認めていたくせに、やる気のなさに反発してた最年少。
智くんのことが心配なのはみんな同じだけど、演出家としてライブでの智くんの精神状態を気にするようになってる。
大人になったよなぁ・・・。
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作者名：Fg | 作成日時：2014年9月19日 16時
