きみを好きになって～S・O～２ (ページ5)

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向かい合って座るAさんの表情は、拗ねてるようだったり泣きそうだったりコロコロ変わった。

おいらの願いをやっと聞いてくれて、タメ語になったAさんとの距離がぐっと近くなる。

やっぱ意識的だったんだなぁ

最初からリーダーと大野くんって使い分けをする彼女に安心してたけど、リーダーが好きって言う割には心を開いてくれなかった理由がやっとわかってホッとする。

マイナス思考で自分に自信がないって言うけど、プラス思考で自信満々なひとなんてどのくらいいるんだろ？

性格だって悪くないし、Aさんが一番気にしてる見た目だって、おいらからすれば痩せすぎで不健康に見えるよりはいいと思うけどな。

まあ、好きなタイプはスレンダーな子ってずっと言ってきたおいらが、慰めても説得力ないか・・・。

これからは取材で聞かれたら、好きなタイプは変わったって言おう。

「私は・・・大野くんとは釣り合わないって思ってるから。
釣り合わないのは、いつも不安と背中合わせで苦しいんだよ。」

柚木さんが泣きそうで、涙をこらえてるのがわかった。

泣かせたいわけじゃないんだよ。

「それって・・・好きってこと？」

「！・・・それは・・・。」

あー泣いちゃった・・・。

かわいい女の子みたいだ・・・。

もうそろそろ好きって言ってくれるかと思ったら、今度は常識のないひとはいやだって。

そういえば、Aさんには一般常識を覚えた方がいいって言われたっけ。

あんなこと女の子に言われたこともなくて、びっくりしたよ。

でも嫌じゃなかったんだ、本当だよ。

考えて考えて、それでもそばにいる方法を見つけた。

Aさんも少し痩せる努力をすればいいんじゃない？

おいらの提案に相当びっくりしてた彼女。

それなのに急に敬語に戻って聞いてきたこと。

間接的だったのは、Aさんの優しさだよなぁ・・・。

泣きはらした目の奥に、おいらを試しているような光。

さぁ何て答える？って言ってる。

はぐらかしたら、きっとAさんは敬語のままだろうな。