きみを好きになって～S・O～２ (ページ38)

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野外ライブが終わったと思ったら、アルバムツアー。

ツアーが始まったら、あっという間に年末。

智くんの仕事は先の先まで決まっている。

平日でも智くんが休みだったらアトリエに来て、私の家でご飯を食べたりしていたけど、仕事の不規則さが増して会える日も減ってきた。

休みの予定なんかほとんどないから、週末には智くんの部屋で過ごすようになったけど、一緒にご飯を食べれる日も少なくなっている。

それでも

「おかえりなさい」

って言うと疲れている顔でもふにゃんと笑ってくれるから、こっちまで癒される。

ホントに智くんて不思議なひと・・・。

ツアーが始まった。

11月は1週だけど、12月の週末はほとんど東京にいないスケジュール。

しばらく会えないのは確実だね。

その日程を知ったとき、まず智くんの誕生日はどこにいるのかを確かめた。

あんまり誕生日自体特別視していない智くんだけど、

「誕生日おめでとう」

って言われたりメールをもらえばやっぱり嬉しいだろうって思う。

そういえば自分の誕生日のことなんて話してないな・・・。

これ以上歳をとることを考えたくないから、そういうことに疎い智くんで助かった。

誕生日にはおめでとうメールをしよう・・・って決めてプレゼントを用意した頃

「船長から連絡あってさ、ちょっと釣り行ってくんね。
休みだけどごめんな。」

もう行くって決めてから電話が来た。

「ツアー始まったのに大丈夫なの？」

せっかくの休みなのにって心に引っかかったけど、隠して聞いてみる。

「ん、たぶん夜までやるから、連絡出来ねぇと思う。」

「わかった。」

智くんへの誕生日のおめでとうメールの返事がないって知ったのは当日の夜になってから。

ツアー直前頃からメールの回数が減っていたから、きっと忙しいんだろう、疲れているんだろうって思っていた。

そして智くんと連絡が取れなくなったのと、智くんのデート報道を知ったのがほぼ同じ頃だった。