きみを好きになって～S・O～２ (ページ33)

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「何で？
悪いのはおいらだろ？」

そう言った智くんに抱きしめられた。

「少し痩せたね？
・・・おいらのせい？」

智くんが心配そうに聞いてくる。

「・・・それだけじゃないの。
・・・あの日ね、少し痩せたんだって報告するつもりだったの。」

「・・・ごめん。
まともに話もできなかったよな。」

「話があるの。
聞いてくれる？」

智くんの胸を押して身体を離すと、いつもの癖で口が尖がった。

「智くん？」

どうしても話さないとっていう気持ちでいっぱいだから、子供みたいな智くんにお姉さん目線を送る。

「聞いて。」

立ち話もなんだから、ふたりでソファーに並んで座った。

「私たち、始まったのは春頃だけど、そんなに会えてないよね？」

「それは・・・ごめん。」

「違うの、謝ってほしいわけじゃないの。
仕事なんだから、それは仕方ないでしょ？
智くんは違うかもしれないけどね、私のなかでまだまだ彼女になりきれてないんだと思う。
コンプレックスの事を含めてね。」

「Aはおいらの彼女だよぉ。」

「つまりね・・・。
私は智くんに遠慮していたの。恋人の条件である対等な関係になるのはこれからだって気が付いた。」

「遠慮、してた？」

智くんも気が付いてなかったみたい。

「この前言ってたよね？
絵に夢中になってた智くんに、呼んでくれればよかったのにって。
私・・・感情的になっちゃって、呼んだけど智くんは気が付いてくれなかったみたいなこと言っちゃったけど、ほんとはね、絵を描いてる智くんに大きな声をかけられなくって・・・。
多分小さい声だったんだと思うの・・・。
ごめんなさい、私がもっとちゃんと智くんが気づくまで呼んでたら。
邪魔しちゃ悪いかなって思って・・・。
部屋にも入らなかったから。」

黙って話を聞いてた智くんが、悲しそうな目で私の手に自分の手を重ねてきた。