きみを好きになって～S・O～２ (ページ16)

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Aが泊まった次の日は、撮影とは別にメンバーとの雑誌取材とかがあって、必ず誰かと顔を合わす。

この日はまた翔くん。

翔くんにはちょっと相談しちゃったから、Aとのことを知られないように警戒する。

でも翔くんも相談されたからって、何かとそのあとの展開を聞いてくるんだ。

今日はマジやばい。

Aがおいらのものになったって実感できて幸せの頂点にいるおいらだから、どうしたって顔がにやける。

どうしても部屋を暗くしてほしいってお願いされちゃって、豆電球みたいな明かり、遥は常夜灯って教えてくれたけど、それだけでも見えるんだけど。

でもオレンジの光の中のいつもと違う表情もなんか可愛くて。

確かに昔はスレンダーな子ばっかで、ぽっちゃりな子なんて最初から対象外。

でもAのやわらかな身体は全然嫌じゃなくて、むしろ抱いてて安心する。

３０過ぎるとやっぱ癒しだよなぁ・・・。
んふふ・・・。

あ、翔くんと目が合っちまった。

おいらのことをよく見てる翔くんだからマズイってわかってるけど、なぁ・・・。

何事もなかったように、ドラマの台本を見る振りをする。

毎日持ち歩いてたAのマフラーも、桜が咲いたのに持ってるわけにもいかなくて今はうちにあって。

今度、季節関係無しに持っていられる物を何かもらおう。

Aはもう帰っちゃったかな。

いつでもメールしてって言ってんのに、頑固なAは自分からはして来ない。

この頃なら休憩時間だからって時間指定して、この前やっとくれたメールには桜の木の写メ。

あの公園のベンチから見上げた空と開花した桜。

『開花』って題名がついてるけど、これいつの？
もう桜は散り始めてるよ。

『これ撮ったのいつ？』

『ずいぶん前だけど、約束してたのに送れなかったので。
いい機会だと思って。』

そんなAに自分からメールをさせる方法ないかな。

おいらの研究課題だ・・・。

とりあえず今はおいらからメールをする。