64 Oside ページ14
「ん？なぁに？」
膝を突き合わせてAの肩に両手を置いたら、恥ずかしそうに俯いた。
「私のことは・・・誰にも言わないで、内緒にして。」
「へ？
なんで？」
そういうのってさ、おいらの方が言ったりするんじゃねぇの？
げーのーじんって立場らしいから。
「もちろん私も言わないよ。
智くんの仕事の邪魔になるようなことはしないから、安心して。」
「だから、なんでそんなことAが言うの？
まあ、事務所からは気をつけろって言われてるけど、Aのことは信じてる。」
「私なんかとつき合ってるって、智くんの・・・周りの人たちに知られたくない。」
Aの声が少し小さくなった。
「なんかって・・・なに？
おいら、趣味わりぃみたいじゃん。」
Aのマイナス思考もここまでくると、ひとこと言いたくなる。
おいらの声に不機嫌さでも感じたのか、Aが顔を上げた。
「・・・ごめんなさい。
でも、そう思われるよ、きっと。
言い方悪いけど、智くんなら選り取り見取りだもの。」
「そのおいらが好きになったひとなんだからさ、周りは関係ないよ。」
ちょっとの間何かを考えていたAが強い瞳でおいらを見た。
「だから、智くんの友達とかには会わないからね。
特にあの・・・仲間達には。」
顔がちょっと赤い。
そっか、それを言いたかったのか。
周りの人たちってメンバーのことだよな。
「翔くんにはちょっと相談したけど、知られてないと思うから大丈夫だよ。
頑固なんだっけ、んふふ。」
肩に置いた手に力を入れて抱きしめる。
「今夜、おいらもベットで寝ていい？」
耳元で聞くと
「・・・智くん・・・本気？」
少しかすれた声がした。
「Aだもん、全部好きだよ。」
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作者名：Fg | 作成日時：2014年7月10日 10時
