地獄を、君と。

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｢안녕히 주무세요が、おやすみなさい。｣

『アンニョンヒ…』

｢좋아요が、OKって意味。｣

『チョアヨ…』

｢わかった？｣

『はい！…あ、チョアヨ！』

｢ヘタクソ。｣


思わぬ言葉に、え？っと彼の方を二度見すると、可笑しそうに笑っていた。

ペシッと軽く肩を叩く。


｢미안합니다｣


彼がまだ笑いが収まりきっていない声でそう言った。

ミアナムニダ…

確かさっき｢ごめんなさい｣の意味で教わった言葉だ。


『許してあげます。』


私が自信ありげにそう言うと、彼は私の頭をぽんぽんと撫で、｢정답이야｣と言った。

チョンダビア…正解の意味だ。


二人で顔を見合わせて笑う。


『あ、じゃあありがとうってなんて言うんですか？私、ミンジュン君にお礼言いたいです！』


彼にはいつも助けて貰ってばかりだ。

彼の母国語でお礼を伝えたかった。


｢…｣


急になにか考え込むように黙ってしまった彼の顔を覗き込む。


｢사랑해요…｣


一瞬イタズラを思いついたような顔をして言う。


『サランヘヨ…？』


私が聞き返すと、彼は満足そうにうんと頷いた。


『ミンジュン君、いつもサランヘヨ！』


私が笑顔でそう言うと、彼は面食らったような顔になってそっぽを向いてしまった。

その耳は真っ赤に染まっている。

ありがとうを伝えただけでこんなに照れるなんて…

なんだか可愛いな、なんて失礼なことを考えていると、彼はボソッと｢オレも…｣と呟いた。









『アンニョンハセヨ！』


次の日、さっそく昨晩教えて貰ったフレーズで挨拶をする。

ミンジュン君は、笑顔で返してくれた。


｢Aさん、それ韓国語？｣

『そうなんです！昨日教えて貰って…間宮さんもいつもサランヘヨ！』


そう言うと、間宮さんはなんだか不思議そうな顔をして｢え？｣と聞き返してきた。


『韓国語で、ありがとうって意味なんですよ！』

｢え、ありがとうってカムサハムニダじゃないの…？｣

『え、でもミンジュン君が…』


間違えたかな？と一人で百面相をする私の横で、間宮さんがミンジュン君の方をちらりと見る。

気まずそうな顔で俯くミンジュン君を見て、間宮さんは｢なるほど…｣と小さく呟くと、ふっと笑ってどこかへ行ってしまった。









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【사랑해요(サランヘヨ)】
意味：好きです。愛しています。

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