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150.真っ直ぐ純粋(side:ef) ページ15
どうしても取り戻したかった
多分あいつは思い出せば戻ってくる
そう思っていた
それでもあいつの目の前に現れるだけじゃ記憶は戻るとは思えない
「あんな奴のために何やってんだろな…」
それでもやるのは俺がアイツに惚れてるからなのだろうか
最後のデートの日
Ｖは俺達が人間に紛れられるように魔法を掛けた
隣を見るといつものキラキラうぜぇ金色じゃなくて
綺麗な黒髪だった
見た目は完全にAではなく李央だった
Ｖは姿が見えないから思い出すこともないって思ってたみたいだが
誰かがあいつの名前を呼んだ
そのせいであいつは思い出して人間に戻っちまったが
あの時、強い魔法を掛けたはずなのに一瞬だけでも名前を思い出したやつに興味が少しだけ湧いた
恐らく、あいつが連れ戻すためのキーになるだろう
そう思ってあの女に近づいたんだ
「あなた達が李央に何かしたんじゃないんですか？」
こいつは思ったより鋭くて
流石は一瞬でもＶの魔法を解いただけある
ただこいつも、あいつも純粋真っ直ぐって言葉がお似合いなぐらいだ
こんな奴は簡単に言いくるめることが出来る
「いいか、よく聞いとけ」
あぁ、馬鹿でよかった
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作者名：bat | 作成日時：2019年4月13日 1時
