、 ページ5
ある老人夫婦の家にて、
「なぁ、かあさん」
「なぁに?」
「このブレスレット、誰に買ってやったお土産たったかな?」
「…あの子には、少し若すぎるしね…。でも、○○ちゃんにはお姉さん過ぎるわ…」
あの子とは、さっきの夫婦の妻ことだろうか?
○○ちゃんはこの老夫婦の孫らしい。
「…似合うと思ったんだけどね」
「あらやだ、誰によ?」
「それが思い出せないんじゃないか」
「…○○ちゃんの他にも女の子の孫がいたらねぇ」
そう。この老夫婦の孫は、男二人に、小さい女の子の一人なのだ。
「あぁ…しまっておくか」
「そうね…あげたかったわ…。私も何となく、年頃の女の子に孫がいたら似合っていたと思うの」
____わぁ!ありがとう!似合ってるかな?
「…あなたは、誰なのかしらね…」
「かあさん?なんか言ったか?」
「いいえ。なにも」
この老夫婦もまた、皆と同じように違和感と妙な騒ついた感情があった。
それを無理やり隠すように、買ってあった例のブレスレットを引き出しにそっと入れた。
45人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
魅月 桜花(プロフ) - るるさん» ありがとうございます。全く話したこともない、顔も覚えていない人。そうであっても何処かで関わっている。そう考えると、何か大切な物を忘れている気がします。ですから、拙い言葉でも伝えたいことがあります。あなた様にこの作品を好きと言ってもらえてよかったです。 (2018年4月30日 10時) (レス) id: bb7045b574 (このIDを非表示/違反報告)
魅月 桜花(プロフ) - しののさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません。くどくてくさい感じですか…。それでいいんです。自己満足であるので。ですがその自己満足で共感を呼べたなら、私はすごく嬉しいのです。この物語が好きと言ってくださってすごく嬉しかったです。 (2018年4月30日 9時) (レス) id: bb7045b574 (このIDを非表示/違反報告)
るる - この作品本当に好きです。少し哲学が入ったような、切ないような懐かしいような・・。一人の人間が消えてしまうのは、あらゆる人の「何か」が消えてしまうということなんですね・・。深いです。 (2018年3月22日 1時) (レス) id: 6d4ae1cdbe (このIDを非表示/違反報告)
しのの - みんな憶えていなくても、覚えているんですね。すてきです。しかし、なんだかくどくてくさい感じが引っかかりました。物語は好きです! (2018年3月1日 15時) (レス) id: 71b75c10e9 (このIDを非表示/違反報告)
魅月 桜花(プロフ) - 道化師さん» それでも、このように誰かが私を知っている。そう思うと消えれません。逆に、私もあなた様の存在を知った。私の作品を素敵とまで言ってくださったあなた様を知れた。本当にありがとうございます。嬉しかったことは、決して嘘ではありません。 (2018年2月24日 13時) (レス) id: bb7045b574 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:魅月 桜花 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/c1f02e14681/
作成日時:2018年2月22日 23時