人間のクズ。

欠陥少女 ページ49

例えば、例えばだ、本当に最低なことを言ってしまうが、例えば私が余命三ヶ月だったとしたら、


いいや、決してそんなことはない。

私は平凡などこにでもいる、いや、その言い方はおかしいか。

私は特に優れたところも、特別劣っているところも、何もない。


つまらなく最低な人間だ。





それでも例え、私が余命三ヶ月だったなら、
こんなつまらない人を不快にさせる小説も、自分の一生の経験を語った深みのある作品になる。




だが私はそうではない。

同情なんて優しく虚しいものをされる人間ではない。







《死》とは優しいと思う。

死だけは、死だけは誰にでも平等だ。


変なことを言った。けれども本当にそう思います。



例えば、いくら平等な世にしたって、能力の差はどうなりますか？


いくら制度やら、法律やら、施設やら、そんなものを平等にしたといって、人間が100%平等になることはありえない。





生まれ持ったセンス、自分の性格、親の性質、


あらゆる才能や、努力の才能。
ハッキリ言えば顔なども。




それでも、死だけは平等に訪れる。

それは人間に限らない。人も獣も、物さえも、終わりという死が訪れる。




それをいい風にとる人もいる。
悪くとる人もいる。









昔、何故、何故ここまで人は不公平なのかと嘆いた。




家柄で努力も無駄になるのか、

性別でここまで差が生まれるのか、

才能があるかどうかでここまで周りからの評価が違うのか、








私の祖父は会長。小さいが、会社を持っていた。



それの娘の母。孫の私。

息子の叔父。孫の従兄弟。



母は姉だった。それでも、普通に嫁いだ。
だから何もない。




だが叔父は母の弟であっても男だ。だから祖父の会社を継いだ。





いずれ従兄弟も継ぐことになっている。









何故、何故それだけで祖父はここまで私達を見てくれない？

会社を継がない家だから、それだけで何故、

私は努力した。したさ。
何故、見てくれなかった。何故、何故。







従兄弟が羨ましい。従兄弟は夢ができた。会社を継ぐという立派で自慢できる夢が。


私は？私はなんだ？学校であっても祖父に金を出してもらった。



これから先も、申し訳ない、申し訳ないと頭を下げて、気を使わなければならない。



いつか言われた、


【これだけお爺ちゃんにお金を出してもらって！！！！】



呪いだ。


私は、夢もない。出来たとしても、祖父の援助を気にしなければならない。

、→←、

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す