人間のクズ。

クズなり底辺を ページ35

あぁ、まただ。また、また無駄な時間を過ごしてしまった。
今日も消えれなかった。


気持ちが悪い。気持ちが悪い。
どうしようもない吐き気。自分自身への嫌悪。だが決してなくなることのない他人への嫌悪。




くどい。しつこい。もういい加減終わりにしたい。


何故だ。何故嫌いな奴にまで無理に笑顔を向けなければならない。向こうは冷たい目を向けてくるというのに。


いや違う。



違う。これもまた、内心言ってやるのだ。悲しくもどかしく、嘲笑ってやるのだ。


【私は君たちよりも人を気遣うことができるのだ。よっぽど私の方が常識的だ。君たちが出来ていないのだろう？】


そう言って笑ってやるのだ。そうだ。

そうでもしないとやっていけない。


バーカ。君たちが私を嫌っているのも、冷たい視線を送っているのも知っているさ。

でもね、君たちも知らないだろう？




私がヘラヘラと浮かべる気味の悪い偽りの笑みに気づいていないだろう？
私の方がよっぽど頭を使える。







なんて、なんてね。嘘つきわたし、泣き虫わたし。




だから私は馬鹿になりたいのだ。

誰の迷惑も考えず、ただただ、自分の明るい道だけを見ている。先に希望を見出して、嫌な視線にも気づかない。


そんな馬鹿野郎に私はなりたかったさ。





バーカ。バーカ。バーカバーカ。私は君たちより頭が使えて、観察眼がいいんだよ。



なのに何故私が苦しまなければならない？






人間のクズ。



あぁ、頭がいたい。心が痛い。




人間のクズで悪かったね。悪いことは知っているが、やめはしない。やめれはしない。


私はクズだ。クズらしく、へりくだりながら内心馬鹿にして嘲笑ってやろう。









さぁ、さァ、ざまあみやがれ。





クズはクズ。クズらしく生きてやろう。
死にたがりでも、自分から死ねやしない臆病者だ。運命が殺してくれるまでクズなりに怠惰に生きてやろう。


こんなクズを、何より劣るこのクズを、


例えばそれは犬よりも

例えばそれはアリよりも

例えばそれは雑草よりも


何より劣るこのクズを、見下して笑うのが楽しけりゃ、幾らでも笑うがいいさ。

何より劣る私を笑って楽しむなんて、なんと幼稚なことだろう。




そして、そのクズに自分たちがした冷たい目を裏で向けられるのだ。


内心、こんなクズにクスリと笑われるのだ。



惨めな私に嘲笑われるなど、君たちも惨めじゃないかね？




そうだ、そうだ。ざまあみろ。

、→←、

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す