妹愛 ページ35
しまった、やってしまった、数秒前までは生きているならいいじゃない思考で異能力を発動したわけだが、今では後悔している。
「ねぇ、Aちゃん…これ、どういうこと?」
そう言って腕を掴まれる。
そこには黒い笑みを浮かべた太宰さん。
国木田さんも完全に警戒態勢だ。
「…はぁ。どういうことだと思います?」
「そうだね、例えば君がポートマフィアと関わりがある、とか」
さっきまでふざけていた人とは思えないほどの威圧感。
A自身も口角が上がるのがわかった。
追い詰められると逆にこうなる、初めての体験だ。
「ええ、当たってます。探偵社の者に接触する様にと首領に言われた」
ふふっと笑って太宰さんに掴まれた手をさり気なく下ろす。
「改めて自己紹介でもしましょうか!……私は光凪A。ポートマフィアの幹部補佐をしております」
その瞬間、潮の匂いの風が錆びた倉庫内に吹き込んだ。
乱れた髪を耳にかけながら彼女は一点の曇りもない笑顔を向けた。
「幹部補佐、だと?」
さりげなく倉庫の入口の方に立ち、Aの退路を断ちながら国木田が銃を構えて聞いた。
「はい、…太宰さんなら知っているのでは?…中原中也、私の自慢の兄ですよ」
そんな状況を分かっていながら明るく話すA。
Aがそう言った瞬間、太宰の顔が分かりやすく歪んだ。
「それ、本当かい?」
彼女は太宰とは反対にニコニコと笑いながら頷く。太宰も彼女がどこか中原と似た面影があることに気づいたらしい。
「おい太宰!どういうことだ?!説明をしろ、説明を!!」
「彼女、ポートマフィアの幹部補佐。おまけに幹部は兄らしいね。それも蛞蝓なんてほんっとに厄介」
犬猿の仲らしいとは聞いていたが、まさかこれ程とはと苦笑いをこぼす。
その時、
「おいクソ太宰。テメェ喧嘩売ってんのかァ?」
「げっ…最悪、うわー、最悪」
太宰も確かに驚いてはいたが、やはり中原がいることに一番驚いたのはAであった。
「ちょ、ちょっと待って?!なんでいるのよ、お兄ちゃん…」
「あっ…まぁー、その、なんだ?近くで任務があった」
____なら何故分かりやすく目をそらすのだ、お兄ちゃん
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羅生門 - 小っちゃいのに兄貴。 (2021年3月19日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
羅生門 - 未だチョッと普通の子なら様子見だが、.私は莫迦なので何でも語れる(。駄目だろうアンタ、死にたいのか!?) (2021年3月19日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
魅月 桜花(プロフ) - 長月冬麻さん» 少ないものが書けているなら良かったです。私も文章力がなく…相手の方がサポートしてくださっています。お互い頑張りましょうね!コメント、とても嬉しかったです。ありがとうございます! (2018年8月2日 9時) (レス) id: bb7045b574 (このIDを非表示/違反報告)
長月冬麻(プロフ) - 中也さんと恋人でイチャイチャしてるのは良くありますけど、兄弟でっていう設定のものはあまりないですよねぇ…。あと私も也してますが、ロル書くのが難しくて、どうやら私は文章力ないみたいです。(・ω・)ノ (2018年8月2日 9時) (レス) id: 0ab6a974b3 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - はい来ちゃいました!!更新されてたやったあ…! (2018年7月8日 6時) (レス) id: 4a699948aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魅月 桜花 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/c1f02e14681/
作成日時:2018年5月13日 19時