自称兄に攫われた【文豪ストレイドッグス】【中原中也】

心配 ページ12

夜



少し待っていたが、やはりなかなか帰ってこないらしく、結局眠ってしまった。









微かに物音が聞こえた。


「ぅ、ん…中也さん…？」


もともと眠りには深くない方であった。
どうせ起きてしまったのだからと音がしたリビングの方へ向かった。









、






「お帰りなさい！…って、中也、さん…？」




「A？！お前寝てたんじゃ…ッ」








…そこには血だらけの中也さんがいた








「怪我、してるんですか？！」



「いや、これは…」



なにか言いかけた中也さんを無視して言う。


「…手当、しますよ」




包帯を巻きながらずっと考えていた。


そうだった。彼はポートマフィアだったんだ。



意外と…なんて考えていた私が悪かった。
私はすでに巻き込まれていたし、これは私の“日常”ではなくなったのだから。







「っと…終わりましたよ」





服についている血ほど中也さんに怪我はなかった。おそらく返り血なのだろう。




「何も、聞かねェのか？」



「…聞いて欲しいなら聞きます。何も言わないなら、別に聞きません」









別にいい、きっとあなたは、悪い人ではないから。









「俺はマフィアだ。殺しだってする。それでもお前には、あんまし知って欲しくなかった」



静かにそう告げる中也さん。





すっと笑みがこぼれる。


「そうでしょうね…なんたって、誘拐犯ですもん…！」









「…だから違ェよ！！！！」



「違くないですぅ〜！」






少し、いや、結構変わっているかもしれない。









でもそれが____________なのだから

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