【愛故フードファイト5】 ページ34
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「というわけで、大健闘したリヒたんがダークエンジェルちゃんの為に手に入れた圧力鍋があります」
「リヒトさんかっこよすぎぃ!!」
オレの背中でぐったりしているリヒたんの代わりに説明すると、ダークエンジェルちゃんは感激極まったオーバーリアクションで手で口を覆った
「気にするな、当然のことだ」と死にそうな声で言うリヒたんに「もらっていいんですか!?本当に!?ああもうほんとおおおにありがとうございます!!!」と必死にお礼を言うダークエンジェルちゃんは、リヒたんが望んだ通り本当に嬉しそうに笑ってた
何となく、オレも嬉しくなって自然と笑みが溢れる
「俺がお前を嫁に貰ったとき、それで飯作れよ」
「はうわ!?リヒトさんマジかっけえ……、寧ろ作らせてください……」
どこまでが冗談なのかわからない会話を背中越しに聞いていると、既にリビングに上がり込んでゲーム機を弄っている兄さんが目にはいる。リヒトをソファーに下ろし、ダークエンジェルちゃんに任せ、オレは兄さんの隣に腰を下ろした
「オレの天使ちゃんは大変かっこいいので」
「知ってるっつーの……、さっき間近で見たし……」
「なら話が早い。……リヒたんなら、マジでかっさらっていくっスよ。Aのこと」
いーの?、と挑発的に目を配れば、兄さんはギクリ、と体を固めた。そして焦躁が浮かんだ目をオレから逸らす
オレはどっちが彼女と結ばれようが構わない。でもそれは冷めた感情からでなく、どっちに転んでも彼女は幸せになると確信しているからだ。どちらも彼女の幸せそうに笑う笑顔が好きだと知っているからだ
心配はしてないし、口出しするつもりはない。もしかしたら彼女は別の人を選ぶかもしれない。だけど、もう少しだけ応援させてね。親愛なる兄上様に相棒の天使様
答えづらそうにゲームに再び視線を落とす兄さんを見て、今ある時間は本当に何物にも変えがたい大切なものだと思う。あの頃の、オフィーリアとの思い出と同じように
だから、この時を忘れないで生きていけたらどんなに幸せで寂しいものかと、再び笑みを溢した
「あ、そういえばお使いどうした?」
それは忘れました
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桜彩 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2020年9月4日 8時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
F(プロフ) - とても大好きな作品で、新刊が発売される度にここに来てしまいます。これからも待ち続けます。 (2020年4月29日 16時) (レス) id: 22d6502484 (このIDを非表示/違反報告)
かきぴー - 打ち切りになってしまうのですか└(┐゙’ω゙’ω゙`┘)┌ 貴方様の作品が好きなので、私はいつまでも待っていますが大分たっているので生存を別アカで確認に来ました!! (2018年9月24日 0時) (レス) id: ab44efb571 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - ずっと待っています。今回の発売でも小説は進められませんでしょうか?打ち切りであるなら一言下さるとありがたいです。続き、楽しみに待っております。 (2018年3月28日 4時) (レス) id: c82e30fe23 (このIDを非表示/違反報告)
ぶるべりほいっぷ(プロフ) - こんばんは。ずっと作者様の作品読ませていただいております...!更新待ってますので頑張ってください> < (2018年2月26日 21時) (レス) id: 18f2bb9f8b (このIDを非表示/違反報告)
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