【愛故フードファイト2】 ページ31
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「……で、何でオレ達も?」
「荷物持ちに決まってんだろ」
太陽の隠れた曇り空の下を、珍しい三人組が歩いている。まあ、ご察しの通り、オレと兄さんとリヒたんだ
怠惰組の熟年夫婦感で軽い胸焼けを起こしているオレを引きずっそ外に出た兄さん。ちなみにリヒたんは「ダークエンジェルの頼みなら」と喜んで着いてきてた。リヒトマジちょろい
にしたってリヒたんも兄さんもダークエンジェルちゃんのこと好きでしょ。分かりやすいったらありゃしない。リヒたんはまあ、好きは好きでもLOVEかわからないので置いておくとして、兄さんのことは流石に気付いてるでしょ、ダークエンジェルちゃん。それとも本当に気づいてないだけ?わっかんねーなあ
ああいうタイプの女の子は本当に思った通りに動いてくれないっスよねえー。なんて、腕を頭の後ろで組んで灰色の空を仰いだ
だるー、とした会話を交えながら大通りに出ると、何やら周りが騒がしかった。それに妙に人が多い。何かのイベントっスかねえ?と兄さんに問いかけるが、兄さんも知らないらしく、さあ?と首を傾げるだけだった。
すると、大通りに『大食い大会、一般参加者もう少しで締め切りでーす!!』という声が響き渡って、オレと兄さんの「あー、それで」という感嘆の声が騒がしい空間に落ちる
そんなオレと兄さんに、リヒトは「別に何でもいいだろ」と吐き捨てる
「それよりもダークエンジェルの望みを叶える方が先だろ。それにいつまでも悪魔と並んで歩きたくねえ」
『優勝者には、お買い物券10000円分と最先端技術を駆使した圧力鍋をプレゼントしまーす!!!』
「お前ら胃袋に余裕あるよな?」
「掌返すの早すぎる!?」
あー、うん、そうね!?ダークエンジェルちゃん圧力鍋欲しがってたもんね!?本当ダークエンジェルちゃんのことになるとチョロすぎっスよ!!
数秒前と言っていたことが180度違うリヒトに思わず声を上げてツッコんでしまう。隣並んで歩くどころか並んで食事することになるけどいいのか大天使様
案の定「えー……」と嫌そうに唸る兄さんなんて何のその。吸血鬼の真祖二人を引きずりながら一般参加を目指していくリヒトはもう誰にも止められない
気付けばオレ達の目の前には、大食い用に大量生産されたと思われるホットドッグが用意されていた
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桜彩 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2020年9月4日 8時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
F(プロフ) - とても大好きな作品で、新刊が発売される度にここに来てしまいます。これからも待ち続けます。 (2020年4月29日 16時) (レス) id: 22d6502484 (このIDを非表示/違反報告)
かきぴー - 打ち切りになってしまうのですか└(┐゙’ω゙’ω゙`┘)┌ 貴方様の作品が好きなので、私はいつまでも待っていますが大分たっているので生存を別アカで確認に来ました!! (2018年9月24日 0時) (レス) id: ab44efb571 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - ずっと待っています。今回の発売でも小説は進められませんでしょうか?打ち切りであるなら一言下さるとありがたいです。続き、楽しみに待っております。 (2018年3月28日 4時) (レス) id: c82e30fe23 (このIDを非表示/違反報告)
ぶるべりほいっぷ(プロフ) - こんばんは。ずっと作者様の作品読ませていただいております...!更新待ってますので頑張ってください> < (2018年2月26日 21時) (レス) id: 18f2bb9f8b (このIDを非表示/違反報告)
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