忠告2 ページ27
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多分クロが言ってる可笑しいは、さっきのことだろう。車を出て狼谷吊戯の攻撃を止めたあれ。いうかお狼谷吊戯にあってからの私。本当に、我が相棒様の目は誤魔化せません
でも、これは私の問題。本当にただの私の身勝手だ。クロと分け合うようなことじゃない
たくと君が増え、4人乗りのこの車じゃあ全員揃っての乗車が無理になってしまったことについて、話し合っている大人3人組の会話に耳を傾けながら、そんなことを心の中で思う
「とりあえず、俺が怠惰の二人を支部に置いてくるか」
「あー、それがいいかもねー。時間もだし……。それに__」
そこまで言いかけて、狼谷吊戯は私に目を向けた。向けられた表情は先程まで見せていた軽薄そうなものでなく、少し哀愁を漂わせた大人びた表情で。私がそれを睨み付ければ、狼谷吊戯はクス、と一つ笑みを溢し、「何でもないよ」と呟く
背を向けたあいつの背中は、霧のような記憶の通り、弱々しかった
あの日、何の約束をしたんだろう。でも確か、あれは約束じゃなくて__
『ねえ、おにーちゃん。もしも__』
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「えーと、確か……城田Aだったか?」
「ピンポーン。大正解です、車守さん」
走り出してから暫く静寂が流れていた車の中。それを破ったのは車守さんだった。前を見たまま投げ掛けられた確認に、こちらも視線を寄越さずふざけた言葉を告げる
抑揚ない声でそんなこと言われたのが少なからず驚いたのか、「お前……ボケてるテンションじゃないだろ……さっきもだけど」と冷や汗を足らした。さっきっていつのことだ、ボケなんて言ったつもりはない、抜群の女子力は至って真面目だ大馬鹿者
「吊戯のことが嫌いか?」
「嫌いですよ」
車守さんの問い掛けに間髪入れずそう返す。理由を聞いていいか、と更に質問が帰ってきた。なんで、か。最初は私も知りたかった。けど__
「おちゃらけた態度も、胡散臭い笑いも、見ていて腹立ちますしね。でも__」
今も昔も、私はあの消えてしまうような弱々しいあいつの笑顔が気に入らないらしい
「あの笑顔は、特に嫌いだ」
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桜彩 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2020年9月4日 8時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
F(プロフ) - とても大好きな作品で、新刊が発売される度にここに来てしまいます。これからも待ち続けます。 (2020年4月29日 16時) (レス) id: 22d6502484 (このIDを非表示/違反報告)
かきぴー - 打ち切りになってしまうのですか└(┐゙’ω゙’ω゙`┘)┌ 貴方様の作品が好きなので、私はいつまでも待っていますが大分たっているので生存を別アカで確認に来ました!! (2018年9月24日 0時) (レス) id: ab44efb571 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - ずっと待っています。今回の発売でも小説は進められませんでしょうか?打ち切りであるなら一言下さるとありがたいです。続き、楽しみに待っております。 (2018年3月28日 4時) (レス) id: c82e30fe23 (このIDを非表示/違反報告)
ぶるべりほいっぷ(プロフ) - こんばんは。ずっと作者様の作品読ませていただいております...!更新待ってますので頑張ってください> < (2018年2月26日 21時) (レス) id: 18f2bb9f8b (このIDを非表示/違反報告)
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