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魔法使いのお兄さん5 ページ25

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「俺は行かねえぞ、ガキのお守りしてっからな」

「ああ……、って鍵使わなくて大丈夫か?」

「何か具合悪そうだし、出る気しねえだろ」





滲む汗に眉を寄せながら、何となく耳に入ってくる会話を流す。心配そうに私の掌に肉球あてて、私の名前を呼ぶクロの声も、正直あまり耳に入ってこない

どっかで見たことある顔だった。初対面から、嫌いだった。あの薄っぺらい笑顔を見た瞬間、ああ、こいつは嫌いだ、そう思った。それが、多分今思い出そうとしている記憶と関係してるのかもしれない


というか、多分。しているのだろう



外で、車守さんと狼谷吊戯が喋っているのが見える。あんまり前に出ないで、と言われた車守さんは不足そうに「ブランク扱いするのやめろって」と答えた




__あのときあった男は、まだ少年だった。弱々しい姿と、少しムカつくおちゃらけた喋り方を、していた気がする。何で、その人と出会ったんだっけ。確か、公園で遊んでいて、その日は凄く夕日が綺麗で……。それでその男は__





そんな車守さんに、狼谷吊戯は落ち着いた声で返し、






「今日はオレ一人でいいよ、あの角の先だろう?」

「すぐ済むよ、ここで見ててくれればいい」






静かなこの世界に、吸い込まれていってしまうかのような、そんな笑顔で微笑んだ








__……その男は、そんな綺麗な夕日に、透けていってしまうかのような笑顔で、私に向かって微笑んだのだ






脳内に、電流が走った気がした。ぱ、と忘れていた情景が少しずつ甦る

まだ全てを思い出したわけではないけど、あの弱々しい姿の男はこいつだ。狼谷吊戯だ。私はずっと前に、あの男と出会っていた。ただ、昔一回会っただけという、うっすらとした霧のような記憶だけれど

でも、駄目だ。これは思い出さなければいけないものだ




あの男の姿を見るにつれ、一斉に逃げ出したサブクラス達を、猟犬は一瞬にして灰に変えた。それを見て、私は思わず車の外へと飛び出した。「おい!!」、と呼び止める弓景さんを無視して、ただあの男の前へと目指して走る

あの日、私は確かに約束をした



ガキン!!背を向けた一人のサブクラスに向かって放たれた攻撃は、私のリードとぶつかり合い、少しの歪みを生んで、それは相殺された





「……なんで」





それを呟いたのは、目の前で目を見開いているこの男なのか。泣きそうに顔を歪めた私なのか





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桜彩 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2020年9月4日 8時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
F(プロフ) - とても大好きな作品で、新刊が発売される度にここに来てしまいます。これからも待ち続けます。 (2020年4月29日 16時) (レス) id: 22d6502484 (このIDを非表示/違反報告)
かきぴー - 打ち切りになってしまうのですか└(┐゙’ω゙’ω゙`┘)┌ 貴方様の作品が好きなので、私はいつまでも待っていますが大分たっているので生存を別アカで確認に来ました!! (2018年9月24日 0時) (レス) id: ab44efb571 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - ずっと待っています。今回の発売でも小説は進められませんでしょうか?打ち切りであるなら一言下さるとありがたいです。続き、楽しみに待っております。 (2018年3月28日 4時) (レス) id: c82e30fe23 (このIDを非表示/違反報告)
ぶるべりほいっぷ(プロフ) - こんばんは。ずっと作者様の作品読ませていただいております...!更新待ってますので頑張ってください> < (2018年2月26日 21時) (レス) id: 18f2bb9f8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:志吾 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年1月19日 5時

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