【SERVAMP】 平凡系女子な私の巻き込まれた戦争に横やりが入ると一帯誰が予測しただろうか←

魔法使いのお兄さん４ ページ24

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空が、オレンジ色に染まってた。異世界に移ったように静かな公園に。夕焼けに吸い込まれそうな、弱々しい姿の男が一人





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「＿＿＿＿＿」




パッ、と浮かび上がった懐かしい情景が、チカチカとテレビのように移り変わっては消えていく。大昔の電子機のような、画質の悪い記憶に、こめかみを押さえて目を伏せた

懐かしい、記憶だな。あの人元気かな


１つため息をついて意識を現実に戻すと、視界に心配そうにちょいちょいと私の手をつつく、クロの姿が目に入る。大丈夫だよ、と微笑み、クロの頭を撫でてやると、クロもほっ、と安堵を漏らす


それよりも。問題は、これだろう






「……とか言って塔間の 奴 隷 のくせによ」






弓景さんが吐き捨てる先にいたのは、確かにそんな言葉が似合いそうな。感情の色を映さない、人形のような目をした狼谷吊戯がいた

ガラリと変わった空気に脳がついていかず、「あ、あの？」と疑問を詰め込んだ声が口から出る。そんな私に車守さんは「近くでサブクラスが揉めてるんだと」、と答える。なるほど止めるのか


先ほど。支部の方から連絡が来て、この戦闘員の３人にサブクラスの捕縛を命じた。そして狼谷吊戯がおちゃらけた口調で報酬の額を聞いたその後＿＿。凜とした、落ち着いた声なのに確かに耳に残る。塔間さん、その人の声を聞いた

狼谷吊戯があの目になったのは、それからだ




あの目には何となく覚えがある。先ほど流れた記憶の男。あいつもたまに同じ目をしていた。かと言っても、あの男と会ったのはただの１度だけで、今まで綺麗さっぱり忘れていたのだ

……ちょっと待て。何で、今なんだ？

何で今まで綺麗さっぱり忘れていた人間が、何でこのタイミングで甦ってくるんだ。何がきっかけで……。狼谷吊戯？どことなく重なるあの表情が？それって、もしかして＿＿





「おい、大丈夫かよ？」





コンコン、と。弓景さんが車の外からノックをし、声をかけてくれる。そこでやっと、回りだした思考を止める。はっ、として顔を上げると、いつの間にか目的地についたようで、３人は車の外に出ていた

戸惑いながらも弓景さんに返事をする





「あ、はい。それよりも、お酒飲んでたのに、大丈夫ですか？」





気遣って言ったそれには、飛びっきりおちゃらけた表情のアイツが、子供のように声を弾ませて、それは無邪気にこう返した






「大丈夫だよ！お兄さん達は、魔法使いだからね」





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