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魔法使いのお兄さん3 ページ23

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「……で、でもほら。小さくても感度がよければオールオッケーだよ!オレ的には!ねえ、Aちゃん、ちょっと 喘 いでみて?」

「あん?」

「ほんとごめんって」





無理にこの気まずい空気を明るくしようとしたバ狼谷吊戯は、引き釣った笑いで私にそう言うが、明らかに話題ミスだと思わないか?貧乳に巨乳の話題は、水と油通り越して水とナトリウムだから。爆発するから





「ま、まあほら。こいつがクズなのは今更どうしようもないことだから。な?」

「そうそう、こいつガキん頃悪いオジサンに買われちまってよー。多分そっからか?な?」





車守さんにユミーが続けてフォローを入れる。何かその優しさが今は辛い。い、いいし。べべ別に気にしてねえもん。貧乳はステータスだろ

自分で自分を慰めていると、どうやら大人達の話題がその悪いオジサンに買われた馬鹿野郎になったらしく、あれだけうるさかった笑い声が途端に止んだ




「いやー、オレずーっと塔間さんの 奴 隷 だからなー」

「お前いつまであの人の言いなりなんだよ……」

「だって塔間さんめちゃくちゃお金くれるからー」




塔間さん。初めて出てきた固有名詞に首傾げる。C3の人、なのかな。いやまあこのクズのことはどうでもいいんだけど

少しでもあいつのことを考えようとしてしまった思考を振り払うように、隣で運転をする車守さんに「仲いいんですね」と笑った




「ん?ああ……俺達三人同級生でな」





そう苦笑いしながら答えてくれると、更に思出話をしてくれる。小一のときからの長い付き合いだと言うこと。そして最初はユミーとクズ野郎がすっごく仲が悪かったこと。とてもそうは見えないなあ、と心の中で呟く。そして__




「こいつ昔は全然喋らないし笑わないしで……」

「____あ」





するり。何かがほどけた気がした。喉から更なる言葉が漏れそうになったところで

ヴーッ、と携帯の音がそれを遮った。口から「あ……」と短い声が落ちる。何か、見えそうになったところで、それに白い霧が懸かった。「支部から電話だ。静かにしろよー」という、車守さんの声で完全に我に返る



なんだ、今の

この激寒の異常気象の中、何故か汗が滲んだ額に手を当て、か細い息を吐く。電話のスピーカーから聞こえる言葉すら、上の空だった





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桜彩 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2020年9月4日 8時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
F(プロフ) - とても大好きな作品で、新刊が発売される度にここに来てしまいます。これからも待ち続けます。 (2020年4月29日 16時) (レス) id: 22d6502484 (このIDを非表示/違反報告)
かきぴー - 打ち切りになってしまうのですか└(┐゙’ω゙’ω゙`┘)┌ 貴方様の作品が好きなので、私はいつまでも待っていますが大分たっているので生存を別アカで確認に来ました!! (2018年9月24日 0時) (レス) id: ab44efb571 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - ずっと待っています。今回の発売でも小説は進められませんでしょうか?打ち切りであるなら一言下さるとありがたいです。続き、楽しみに待っております。 (2018年3月28日 4時) (レス) id: c82e30fe23 (このIDを非表示/違反報告)
ぶるべりほいっぷ(プロフ) - こんばんは。ずっと作者様の作品読ませていただいております...!更新待ってますので頑張ってください> < (2018年2月26日 21時) (レス) id: 18f2bb9f8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:志吾 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年1月19日 5時

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