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由乃side(ゲームのプロローグ)
お兄ちゃん達と別れて歩を進めていく
気づいた頃には月が高く登っていた
由「もうすぐ鎌倉だ！ すっかり日が暮れちゃったけど」
(薬師として独り立ちするんだから、もっとしっかりしないと)
つい最近まで私は小さな町で薬師見習いとして働いていた
栄えている鎌倉で自分の店を開こうと、お兄ちゃん達に無理を言って住み慣れた土地を出てきたのだった
(とりあえず今夜の宿を確保して、明日は住む場所を探しにいこう！)
由「あれ？」
小狐「くーん」
(白い狐？)
草むらの影から妖しく光る金色の瞳に気づいて立ち止まる
由「、、！大変、怪我してる」
(っ刃物で切られたみたいな切り口、、？)
小狐の前に慌ててしゃがみこみ、特に傷が深い前足を手拭いで止血していく。
由「もう大丈夫だからね」
しばらくして ーーー 手当てを終えた私は小狐を草陰にそっと横たえた。
(この子、変わった飾りをつけてる、、。大人しいし、誰かに買われていたのかも)
少し離れた岩を腰掛けて休憩していると、、
？「おい、そこの女」
(え？、、わっ)
突然、鋭い声とともに後ろから右手首を掴まれ、体ごと引き上げられた。
？「てめぇ、こんなところで何やってる」
(い、いきなり何？ と言うか、誰！？)
月明かりの下できらめく秋の稲穂のような髪に、一瞬目を奪われる。
けれど、その下にある鋭い眼差しに睨まれ、慌てて口を開いた。
由「な、なにもしてませんけど」
？「なにも、ねえ。ならばてめぇは、用もなくこんなところにいるってんだな？」
由「そうです」
？「わかった。だが、いいかお嬢さん」
？「もし今のが嘘だったらーーただじゃおかねえぞ」
男性の声の剣幕さが増すと同時に、手首を掴む手に力が込められる。
(痛、、っ。この人、凄い力、、！)
思わず顔をしかめたその時、軽快に砂を踏む足音が聞こえて、、
？「おーい、弁慶」
？「なあに女いじめてんだよ」
？「ああ！？与一、てめぇ！誰がいじめてーー」
？「ほれ、手。その手、見てみ？」
？「あ？手だぁ？」
弁慶と呼ばれた男性は掴んだ手首に視線を落としーーーぱっと手を離した。
？「、、、っ、わりい！」
？「大丈夫か、おい！血ぃ止まってねぇだろうな？呼吸は正常か！？」
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作者名：ミキ | 作成日時：2022年9月1日 23時
