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「へぇ…。日の出を見ることで新たなスタートを意味するってことか。面白いな」
「はい！…あ、見て下さい！明るくなってきましたよ！」
私が遠くを指さすと、ジャミルさんも私の隣に来て柵から身を乗り出すように朝日の方を見た。
明るい陽の光が差し込んで、辺りはどんどん明るくなっていく。
「この世界にも、陽は昇るんですね」
「…？そりゃそうだろう。」
「もしかしたら私の元いた世界とここは、違うようで、案外似てるのかもしれないですね。同じように太陽が昇るなら、同じ宇宙の中にあるってことですよね。元の世界も案外近いところにあるのかもしれない。」
「…そうだな。君は元の世界に早く戻りたいか？」
「え？そりゃあ…もちろん。家族や友達だってきっと心配してると思いますし」
「…俺は少し、君やユウが羨ましい」
予想外の言葉にびっくりして隣を見ると、朝日に照らされて、少し寂しそうな顔をしていた。
「自分のことを誰も何も知らない、全てが真新しくて何のしがらみもない…そんな自由な世界に俺も行ってみたいよ」
「…え？もしかしてジャミルさん
………病んでます？」
「…は？」
「だってあのドS強キャラジャミルさんですよ？魔法も使えて既に自由を手にしているようなものじゃないですか。そんなこというなんておかしいですよ！なんか嫌なことでもあったんですか！？」
「は？ドS…なんだって？あぁ…話す相手を間違えたかな……」
ジャミルさんは軽く頭を抱えていた。よくわからないけど呆れられているみたいだ。
「自分のことを誰も何も知らない世界なんて…羨ましいですか？わたしにはユウがいましたけど…1人だったらきっとそんな世界寂しいですよ。」
「…君と俺とじゃ育った環境が違うからそんなことが言えるんだ。」
そしてジャミルさんは体を翻して先に寮の方へ戻っていった。
…と思ったらすぐ戻ってきて私にこう言った。
「君も早く部屋に戻って着替えろ。その格好で寮内をうろつくなよ」
「っ…あ！！」
言われてから、私は寝起きのボサボサ髪にパジャマ姿だったことを思い出す。
ああ…昨日に引き続きまた失態を晒してしまった…。
私は急いで部屋へと向かった。その間もずっとジャミルさんのさっきの言葉が頭から離れなかった。
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リオ - 更新頑張ってください！ (2021年2月27日 14時) (
レス) id: af465deb02 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです！私はカリムとジャミルが大好きです！更新頑張って下さい！ (2020年12月12日 16時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らの | 作成日時：2020年11月8日 19時
