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ユウは階段を降りてきて、改めて私にグリムを紹介した。
「この子はグリム。私とグリムは二人で一人というか…まぁ入学するときに色々あってね。グリムはすぐ問題を起こすから、こうして一緒に生活しながら、勝手な行動を起こさないように監視するのも仕事なの。だからそういう意味でも、私たちは『監督生』って呼ばれてるんだよ。」
「そうだったの…！？じゃあ私もグリムを監視しなくちゃいけないんだ…」
「そうそう。グリムは言うこと聞かないし、正直一人じゃすごく大変だったから助かるよ〜」
ユウはグリムを抱き抱えながら苦笑いした。
「オレ様は別に問題なんか起こしてないゾ！どっちかというとエースとかデュースの方が問題児だろ？」
「いやいや、それもそうだけど、グリムも相当問題児だからね？自覚して？」
グリムとは初めて会うが、このやりとりを見ているだけでなんとなくユウの苦労が分かるような気がした。そして自分もこれからその苦労を同じように背負っていくのだろうと思うと気が遠くなった。
「あ、A！そろそろジャミル先輩が迎えにくる頃じゃない？先に着替えてきたら？」
「…あっ、そうだ！ありがとう！」
万が一遅れたらなにをされるか分かったもんじゃない。あのジャミルという人はとにかく目が怖いのだ。それから火の魔法も使えるみたいだし、私なんか簡単に燃やされてしまうだろう。
私は急いで階段を駆け上がり、寝室に戻った。昨日もらった制服に初めて袖を通す。サイズはピッタリだったが、ただ一つ気になったのが、制服が男子用だったということだ。
(女子は普通スカートじゃないの？…まぁいいか。この世界では男女同じ制服っていうのが普通なのかもしれないし。)
そんなことを考えながら、ユウから借りたブラシで髪をとかし、鞄を持って部屋を出る。
部屋の外で待っていたユウが、私を見るなり「おお！」と声を上げた。
「制服似合ってる！！」
「本当！？ありがとう！」
「うんうん、すごく可愛い！これから私も支度して学校へ行くから、後でまた会おうね！」
ユウがそう言った直後、ドンドンと寮の扉を叩く音が聞こえた。おそらくジャミルさんが来たのだろう。
「あっ、来たみたい。じゃあ私はこれで…！また後で！」
私はユウに手を振って、小走りで玄関へと向かった。
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リオ - 更新頑張ってください！ (2021年2月27日 14時) (
レス) id: af465deb02 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです！私はカリムとジャミルが大好きです！更新頑張って下さい！ (2020年12月12日 16時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らの | 作成日時：2020年11月8日 19時
