【REBORN!】だいすきお兄ちゃん【３】 (ページ12)

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しばらくは恥ずかしさから兄の胸に顔を埋めていたけれど、兄に促され仕方なく離れることにした。
本当のところ恥ずかしかったというのも事実ではあるが、この一週間ほど感じれなかった兄の温もりを感じていたかったというのが本音だ。
自業自得であることは充分わかっているけれど、どんなにボスが甘やかしてくれても、ベルやマーモンと楽しい時間を過ごしても、私には兄でなければ埋められないものがあるということをこの一週間で知ってしまった。
座ろうとソファへ導かれても、私はやはり兄に触れるのをやめることはしない。
歩く時は腕へしがみつき、座ってもその体に腕を回し。
しかしその行為は空いた穴を埋めるためだけでなく、兄は自分だけのものだと独占したいために離れられないからという方が大きいかもしれない。

「なぁA…いい加減暑苦しいぞぉ…」

何やかんやと終始抱きつく私に呆れながら発されるその言葉。
兄の体に触れているのだから、少し汗ばんでいることからもその言葉に偽りがないのはよくわかる。

「…だってさ、くっついてたいんだもん。私のせいとはいえ一週間もお兄ちゃんに触れられなかったから…」
「ったく…仕方ねぇガキンチョだなぁ」

髪を乱すように撫でられる頭がくすぐったい。
仕方ないなんて言いながらもしっかりと両腕広げて私を迎え入れる準備をしてくれる兄はやっぱり私だけに甘い。
しかし改めてそんなことをされると少し照れ臭い自分もいて、いいの？なんて今更躊躇いがちに聞けば兄は目を細めて私を誘ってくれた。

「来いよ」

…なんでだろう。体が熱い。
私に向けられた兄の笑みは今までとは少し違った雰囲気で、それがまた私の気持ちをくすぶる。
兄のそばにいれば間違いなく沼へと沈んでいくというのに、離れたからと言って安易に抜け出せるほど容易いものでもない。
むしろより一層深みに嵌ってしまったのではないのかと思わせるその笑みはあまりにも耽美だ。

その腕に飛び込むなり私の体にかかる圧。
少し恥ずかしげに頭をぐりぐりと押しつければ、兄は何だと笑っていた。