【REBORN!】だいすきお兄ちゃん (ページ49)

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《４５》ページ49

あれから半月程、私は宿泊していたホテルには帰らず今も跳ね馬と行動を共にしている。
元いたホテルから少し離れたところに改めてホテルを手配してくれたようで、そこには私と跳ね馬、そして最小限の跳ね馬の部下がいる。

私がそこで生活している間にも兄やボス達みんなの退院は済んだと聞かされた。
それならと、戻らねばならないことを理解しながらも兄と顔を合わすことに躊躇いがあった私を見るなり、跳ね馬はなんとかボス達に言い訳を考え説得してくれたと言う。
流石に申し訳なかったと伝えても、跳ね馬は何度も気にするなと言って笑い、それに救われたりもした。
けれどいつまでもこの状況を続けられるわけがない。

「あー…なぁ、A、めちゃくちゃ言いづらいんだけどよ…」
「わかってるよ。いい加減戻らなきゃなんでしょ？」

頬を掻きながら気まずそうに話を切り出す跳ね馬を見れば、何が言いたいかは察しがつく。
どうやら退院するなり終始不機嫌な兄のお陰でボスの機嫌がより損ねられ、負が負を呼び寄せベルやマーモン達にもとばっちりを食っているらしい。
私が戻った所で兄の機嫌が直るとは思えず、寧ろ悪化の可能性も大いにあると言うのに、私があの日の出来事を語っていないからわからないのだろう。
跳ね馬が持って来てくれた荷物はいつでも出られるようにと用意をしていた為に、いつだって準備万端だ。

「私はいつでも出れるよ」
「流石というかなんつーか…流石だよな」

忘れ物一つ無いよう準備を終えている私を見て苦笑いと共に理解し難い言葉を発する跳ね馬。
その言葉に当たり前でしょ？なんて自慢げに笑って見せれば、跳ね馬はここ何度目かわからない謎の赤面を見せた。
ここ最近、跳ね馬は謎の赤面をよく見せる。
一体何なのかと聞いても、言葉を濁しながら話すのが鬱陶しくて聞くのはやめたが。

準備が済んでいるのなら話は早いようで、これから出るらしい。
ボス達に会えるのは嬉しい反面、兄に会うことが少し気にかかり重くなる足を進めて私は用意されていた車へ乗り込んだ。

みるみるうちに辿り着くホテルは、なんだか少し懐かしさを感じる。