【REBORN!】だいすきお兄ちゃん (ページ41)

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《３７》ページ41

窓から差し込む日差しが一段と眩しくなれば、静かに病室のカーテンを閉める。
私たちは無事に跳ね馬の追い出しに成功し、兄妹水入らずでゆっくりとした時間を過ごしていた。
病室に届けられた昼食を兄が食べようとしないので理由を聞いたら、何が入っているかわからないものは食べないと言っていた。
流石に病院食でそんなことはないだろうと思ったけれど、死と隣り合わせのこの環境下で生きていればそれほど警戒しなければいけないことも理解は出来てしまう為、無理強いはできない。
それではと、買ってきていた果物を切って口元に差し出すと兄は少し照れくさそうに頬を染めながらも口に含んでいた。

「お兄ちゃん、どうかしたの？」
食べ終わった食事の片付けをしていると、感じる視線。
振り向けば兄がじっとこちらを見ているので何かと聞けば何でもないと顔を背けられる。
小さい頃から兄は何か言い難いことがあるとすぐに顔を背ける為、それが嘘だと見抜くのは簡単だった。
何なの、と強気で詰め寄れば、兄はしどろもどろに私から目線を逸らす。
けれどそんなので折れてあげるほど私は優しくない。この後聞かなきゃよかったと思う事になるとは露知らず、今は強気で問いただした。

「…、……いや、まぁ…アレだぁ、
なんつーか…A、10年の間に綺麗になったなぁ…」

「———……は…？
はぁ！？な、ななっなっ…なに……ッ！？」

何を言っているのお兄ちゃん！？！？なんて言いたかったのに言葉は出てこない。
突然すぎる兄の爆弾発言に、全身が硬直し熱を持つ。
思わず転びそうになるくらいには驚いていた。
私の頬へ添えられる手に思わず体を強張らせれば、次には跳ね馬を大声で呼んでいた。

「A！？何だよ、何があったんだ？」
「う、うるさいっ！だまってて！！」

あまりの恥ずかしさから私は駆け込んできた跳ね馬の腕を掴み後ろ隠れる。
そんな私を見て何が起きたか分からず混乱する跳ね馬。
目の前で言い争う私達を、兄がどんな風に見ていたのかはわからない。

今はただ、この恥ずかしさから逃れることで頭がいっぱいだった。