【REBORN!】だいすきお兄ちゃん (ページ15)

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《１１》ページ15

膨大な屋敷の中を1人歩く。
先ほどなんとなく2人の場所は教えてもらったけれど、まだここにきて1日も経っておらず、そしてあまりの広さからどうやら迷ってしまったようだ。
どこを歩いても同じ装飾で、ひとつ道を間違えたら最後。戻れなくなってしまった。

ここはどこなのだろうか。もう10分ほどは彷徨っている気がする。
こんな時にお兄ちゃんがいてくれたら…なんて深い溜息をついていると前方に見える人影に思い切って声をかけた。

「あっあの！マーモンさんと、レヴィさんですよね！？」
「貴様は…」「そうだけど、何か用かい」

こちらの声に足を止め振り返ってくれる2人は、何の用だと言わんばかりの視線で私を見ている。
実は…とことの成り行きを説明すれば、マーモンさんは仕方ないと呟き、
レヴィさんに限っては、私がXANXUS様を起こしに行くのを不服とし立ち去ってしまった。
どうにか道案内を頼めないかとお願いすれば、仕方なさそうにツケにすると言って私の前を行く。
正直ツケの意味が理解出来なかったけれど、今はとりあえずベルさんを起こすのが先だと気にも止めていなかった。

「マーモンさん、あのー…兄はいつも、どんな感じですか？」

廊下に響く足音。沈黙に耐えかねた私は口を開き尋ねる。
マーモンさんはムッとしていた気がしたけれど、そうだねと言って答えてくれた。

基本的にはうるさい。うるさいせいでよくドヤされている。
けれどやるときはいつだって隊長としてみんなをまとめていること。
最近はXANXUS様から私の入隊の許可が降りてからえらくご機嫌になったことまで話してくれて、
最後は少し聞いてて照れ臭く、そんな私を見てマーモンさんは少し笑っていたような気がした。

そんな何気ない会話をしていれば、マーモンさんはドアの前で立ち止まり着いたことを教えてくれた。
“王子の部屋”と書かれたルームプレートが掲げられたドアは切り傷が幾つかある。
私はマーモンさんへ案内してくれたことへの礼を告げたついでに思い出したようにひとつ尋ねた。

「そういえば、さっき言っていたツケってどういう意味ですか？」
「あぁ、僕に何かを頼むと高いんだ。君はこっちに来たばかりで金を持って無さそうだからね。
今回の分はスクアーロへのツケとしてあとで請求しておくよ」

じゃあねと言って立ち去るマーモンさん。
私は開いた口が塞がらなかった。ごめん、お兄ちゃん。