【REBORN!】だいすきお兄ちゃん (ページ14)

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さて、これからどうしよう。

本当はこの後もまだ兄と屋敷の内外共に散策をする予定だったのだが、まさかのリング奪還を報告し忘れたせいでいなくなってしまった。
せっかく早く起きて澄んだ空気を吸えているのだからもう少し外は散策していたい。
そう思ったら特に目的もなく歩く。庭には幾つもの種類の花が植えられていた。

こんな綺麗な花、誰が世話をしているのだろうか。
素朴な疑問が口からこぼれた。その問いに答えるように、後ろから名乗りをあげる声。

「あっ、あなたは…」
「ルッスーリアよ。よろしく、Aちゃん」

振り返るとそこにはルッスーリアさんがいた。
手に持つジョウロで花々に水をやる姿は意外なものだった。
この膨大な敷地の植物を世話しているのが1人だとしたら相当な労働である。
それを幹部である人間が当たり前のようにやっているのが衝撃すぎて、ヴァリアーに対して謎が生まれた。

「ひ、1人でやるの、大変じゃないですか？」
せっかく兄以外の幹部に出会えたのだから少しでも距離を縮めたいと思い出た言葉。
けれど何を話そうにも緊張からか吃ってしまう。
ルッスーリアさんはそんな私を見てふふっと笑っていた。

「スクアーロからあなたの話はたっくさん聞いてるのよ。それはもうあなたの名前が出ない日は無いくらいに♪
私にとってヴァリアーは家族なんだから、Aちゃんも私をお母さんだと思ってちょうだいね」

目元はサングラスで見えないけれど、その声音と口元からは笑っているのが伺える。
暗殺部隊とは思えぬ温かさに私も自然と笑みがこぼれた。
兄は私のことをみんなにどんな風に話していたのだろう。
ルッスーリアさんに聞いてみると、そうねぇ…と気軽に答えてくれた。

しばらくは共に水やりをしながら何でもない話で時間を過ごす。
自分はご飯を作りに行くというルッスーリアさんに、何か手伝えることはないかと聞けば
ボスとベルはお寝坊さんだからと、起こしてきてほしいと頼まれた。

まだ入隊したての私がそんなことをして怒られないだろうか。
2人の部屋を改めて教えてもらい、私は足早に屋敷へ戻った。