23話 ページ23
〜加州清光side〜
今日は早めに朝餉を摂った主はさっさと村雨を連れて大広間を後にした。
まだ俺たちが解散しないうちに主は戻ってきて声をかけた。
｢今日は政府の報告会に行く、2振り付いてくれる刀剣を決めといてくれ。｣
｢昼餉を摂ったら出発する。門の前で待っていてくれ。｣
それだけ告げるとまた大広間を後にした。
この場合の御伴する刀剣男士は順番で回していて、今回は俺と安定だった。
この場に村雨は来ておらず、最近主とずっと一緒にいるのは村雨なのに政府へは一緒に行かない様だった。
政府へ行くと審神者が沢山いてみな2振り刀剣男士を連れて仲良さげに話している。
羨ましいなとは思うけれど、主は難しそうな顔をして資料と睨めっこしていた。
多分、戦績は良くないんだろう。
前回もあまり良くなかったためか報告会から戻って来た時とても不機嫌だった。
あの時の主の機嫌を取ったのは誰だったんだっけか。
主がいつ不機嫌になるかわからず、安定ともろくに会話は出来ない。
そうこうするうちに、報告会が始まった。
他の審神者の報告が済むにつれて主の顔はどんどん険しくなっていった。
｢え〜、審神者管理部部長の日和です〜｣
最後に緊張感のない女の人が立ち上がって話し始めた。
彼女が連れているのは加州清光ただ1振り。
彼女の隣に座っている彼はゆったりとした彼女の喋りに呆れたように笑う。
報告会を仕切っているのはいつも審神者管理部だけど、部長なんて偉い人が来てるなんてなんかあるのだろうか？
｢え〜っと、最近ブラック本丸の報告が多くなってきてます〜。この間もブラックだった本丸の審神者が殺されて〜……｣
イライラして下を向いていた主が顔を上げた。
陽気な女の顔がふと暗くなる。
｢1番辛いのは審神者ではなく、刀剣男士の方です。刀剣男士は審神者の都合のいい玩具じゃありません。｣
｢ブラック本丸と疑われている審神者の元へは調査隊を送っていますが、人手もありますし〜。｣
｢皆さんお気をつけくださいね〜！これで報告会は終わります〜、解散〜！｣
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作者名：綺衣 | 作成日時：2020年1月23日 0時
