常闇の瞳2

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11話ページ11

～村雨丸side～

あれからあるじさまは度々私を呼ぶようになった。

あるじさまが私を呼ぶ時は大抵イライラされていて、その発散に私を使っているようだった。

日に日に私の身体には痣や夜伽の印が増えた。

でもそれは全て服で隠せるような所にあった。

もし身体を見られたら、あるじさまにされたこと、あるじさまとの約束、全部バレてしまう。

私の身体を見たあるじさまは私を部隊に編成するのを辞めた。

とうとう私は刀として顕現した意味を失った。

朝起き上がるのも辛くて、でも朝餉に行かなければ、内番に出なければ、怪しまれてまたあるじさまを怒らせてしまう。

気を抜くと涙が出そうになる。

みんなに心配をかけちゃいけない。

挙動不審になってはいけない。

みんなに迷惑を…………かけちゃいけない。

ガチャンッ

｢わっ……と！村雨さん！？｣

｢大丈夫ですか？村雨殿！｣

｢あ………………。｣

鯰尾くんのでかい声で我に返った。

気づくと足元で私の手から落ちた茶碗が割れていた。

呆然とする私の周りに朝餉を運ぶのを手伝いに来てくれていた粟田口の子達がわっと集まった。

動けなくなった私を心配そうに覗き込む。

｢ご……めなさ…………。｣

｢村雨さん！？｣