" Kenjiro_morning ページ5
カーテンから漏れる光が、私に朝を教える。
少しだけだるい体をよじれば、隣にいた彼の瞳が私を捉えた。
『…賢二郎』
「…あぁ。はよ」
賢二郎は、私に背を向けてベッドに座っていた。
手元の携帯には " 五色工 " と表示されている。
『ふふ…なんだかんだ仲良いんだね』
「お前な…目覚めて第一声がそれかよ」
不機嫌そうに携帯を閉じると、そのまま私に噛みつくようなキスをしてきて。
(…賢二郎ってわかりやすいよなぁ)
「ちゃんと覚えてるんだろうな、昨日のこと」
『…忘れるわけないでしょ』
__昨日は、賢二郎と初めての夜だった。
相変わらず口調は荒っぽかったけど、肌に触れる手付きはとっても優しくて
思い出すだけで幸せな気分になれる。
『…賢二郎、髪の毛やわらかいね』
「べつに…普通だろ。つーかくすぐったいからあんまり触んな」
『えー?』
(そう言われると余計に触りたくなるんだよね)
なんて思って、賢二郎の髪をくしゃくしゃと撫でる。
さらさらしていて気持ちよくて、思わず調子に乗っていると……
「しつこい」
『え、…っきゃ…』
賢二郎は私をベッドに縫い付けると、じっと私を睨みつけた。
(…やば、怒らせた…?)
『あの、けんじろ…』
「__触るならもっと別のとこ触れよ」
…え
(別の…?…って、)
『……ど、…どこ?』
「自分で考えろよ、そんなの」
昨日と同じ。
口調はきついのに、賢二郎の顔は少しだけ赤くなっていて
(…朝だから見やすいなぁ)
そんなことを思っているうちに、私は無意識に賢二郎の鎖骨らへんに唇を落としていた。
「…っ、」
『賢二郎…好き』
「…あ、そ」
気持ちがいいのか、賢二郎は僅かに顔を歪める。
『好き…すき、』
「ん、…なにお前、それしか言えないの」
『言えない。…好きだから』
「…そういうの重い」
そう言いながら、賢二郎は私の頭を引き寄せる。
昨日気づいたことだけど、賢二郎の無言の肯定的な行動は “ したいなら好きにしろ ” って意味みたいで。
『…重い相手に、こういうことされていいの?』
「…嫌いとは言ってないだろ」
賢二郎はこの性格だから、
きっと心を開く相手はごく一部なんだと思う。
その中に自分が入ってることが、すごく嬉しくて
「いいから続けろよ」
特に、
こんな甘えた声が聞けるのは私だけなんだって思うと
心の底からの優越感が込み上げてくるのがわかった。
" Kaname_morning→←" Kenma_night
1033人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みーこ(プロフ) - 何回読み返してもキュンです!!! (4月6日 12時) (レス) id: c244322177 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - やっぱリエーフ最高すぎてぇぇえええ!!! (2019年12月17日 22時) (レス) id: 11b994394c (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン♪@アップルパイも捨てがたい(プロフ) - きゃー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!赤葦さん!!! (2019年10月25日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
ぷらむ(プロフ) - めちゃめちゃ好きです.....もしよろしければ北信介さんお願いできますでしょうか.....よろしくお願いします!応援しています! (2019年10月20日 18時) (レス) id: 3c9e77bd00 (このIDを非表示/違反報告)
おしるこぉ - アッ好き…文才がカンストしとる……最高です、更新頑張ってください!!あとリエーフが読めなかった← (2019年10月8日 16時) (レス) id: 3d9d1f1805 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:は お | 作成日時:2019年8月26日 0時