*影山飛雄 ー 捨 ページ9
「おい。別れるぞ」
夜の体育館。
“ 日向。片しとくから先帰れ ” なんて、らしくないこと言った時からおかしいとは思っていたけど
まさかこんなこと言われるとは、思っていなくて
『…え?なんで、』
「お前が一番わかってるだろ」
心当たりはある。
きっと私の浮気だ。
あれは本当にただの出来心で、相手に気持ちがあったわけでもない。
長く続いたわけでもないし、大丈夫かなって思ってたけど…
(…バレてたんだ)
「お互いに理解し合えてるから恋人なんだと思ってたけど、お前はそうじゃないみてーだからな」
『違__私にとってもそうだよ…、』
「今さら遅ぇよ」
飛雄は、顔を歪めるでもなく声色を変えるでもなく、ただトス練のついでみたいに言う。
『…飛雄、』
「俺が言いたいのはそれだけだ」
(…そんな、勝手に…)
たしかに、浮気したのは私が悪いけど
でも…だからって一方的に完結しなくたっていいのに。
『…待ってよ。私は別れたくない』
「じゃあなんで浮気なんかしたんだよ。今さらお前の言葉なんか信じられるわけないだろ」
平然としてたけど、やっぱり怒ってたらしい。
飛雄はトス練をやめて、床に散らばったボールを片付け始めた。
その間にも、私の顔なんか一切見てくれなくて。
(やだ、どうしよう
…どうしたらいいの?)
飛雄と別れたくない。
その理由が、飛雄のことが好きだからなのか
それとも世間体のためなのか
それは今は分からないけど。
『…今すぐ信じてもらえなくたっていいよ。でもわたしは別れたくないの』
私の言葉に、飛雄は私の顔を一瞥した。
でもすぐに、ボールカゴを移動させるために倉庫へ行ってしまう。
(……ダメだ、聞いてくれない…)
彼を追いかけようと靴を脱ぐ。
ここで帰ってしまうと、飛雄はきっと二度と聞いてくれない気がして。
『とび、』
「鍵閉める」
『…え…』
ちょうど倉庫から出てきた飛雄は、右手に鍵を持ち、左手にタオルを持って出口へ近づいてきた。
いつもなら「帰るぞ」って言ってくれてたのに
「出て行け」
今日かけられた言葉は
私の全てを拒絶するような言葉で
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ん?……君は誰だね!?(プロフ) - 夢主ちゃんのくずっぷりが、、、 (2020年6月20日 18時) (レス) id: c7581e2406 (このIDを非表示/違反報告)
Rena(プロフ) - 白布くんと影山に捨てられたくなるような小説でした。応援してます (2020年5月2日 1時) (レス) id: cec64ef57b (このIDを非表示/違反報告)
白並あんず - リクエストで瀬見さんやってもらいたいです…白布と影山は精神えぐられました…及川さんの話がお気に入りだったりしますw (2019年9月29日 0時) (レス) id: 110026f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
まりも。 - リクエストで茂庭さんお願い出来ますか…? (2019年8月27日 14時) (レス) id: 6023cd4d77 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのティッシュ - リクエストお願いします!研磨とあかーしって大丈夫ですか…?よろしければお願いします。あと、応援してます!更新ファイトです(^-^ゞ (2019年8月27日 5時) (レス) id: 9aa7f700a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:は お | 作成日時:2019年8月24日 10時