検索窓
今日:22 hit、昨日:26 hit、合計:307,850 hit

ゴールデン・ドーン - 金田一勇太郎 ページ23

一人暮らしの夜は不安で、だからこそこうやって男の人が来てくれるのはすごく心強い。

「へぇ…金田一も頑張ってるんだね」
「まぁ…大学に入った以上そこそこの成績残さねーとな、っては思うけど」


__高校時代の同級生である金田一と宅飲み。

中学の時にチームメイトと一悶着あったらしいけど、それを除けばほとんどトラブルを起こさない、真面目ないい子。

だからこそ、私の家に上げたっていうのもあるんだけど。


「Aはどうなんだよ?」
「私はそこそこかな。プレゼンの練習が忙しくて」
「あー…お前の学部はそれあるもんな」

やっぱり、仲のいい相手だと話も弾むもので。
気づけば、時刻は夜12時半を回っていた__。


「じゃあ俺、そろそろ帰るわ」
「え…」

時間に気づいた金田一が、少し焦ったようにそう言う。

実はこの時間になるまで、金田一はそろそろ帰る、と何回も言ってくれていた。
でも、私がまだ話していたくて、その度に「もうちょっといようよ」と引き止めていたのだ。

(……こんな時間に帰ってもらうのも申し訳ないな。終電ももうないよね)

__なんておもっていると、それが顔に出たのか、金田一が首を傾げて尋ねてきた。

「…?なんだよ」
「え、や…なんか、こんな時間に帰るのも危なくない?と思って」

そう言うと、金田一は呆れたように首を押さえる。

「いや…別に、俺男だし。なんもねーだろ」
「でも、酔ってるじゃん。ゴールデンドーンとか、ちょっと度数高めだったでしょ?」
「意識はっきりしてるから平気だよ」

(……あれ、金田一なんか顔赤い?)

大丈夫、平気と言う金田一だけど、その顔は少しだけ紅く染まっていた。

「ねぇ、やっぱり酔ってるでしょ?それとも体調悪いの?顔赤いよ」
「っ……」


金田一の頰に手を置く。

すると…金田一は一瞬驚いた様子だったけど、その後熱っぽい瞳で、その上に自分の手を添えてきた____


「……え、」
「…じゃあもし、俺が帰らないって言ったら お前はどうするんだよ」



金田一が望んでいる言葉は言われなくてもわかってしまって

だから、私はその通りの言葉を返した。


「…泊まってく?って、」



その言葉に、金田一は長い息を吐く。


「……あんまり期待させんな、それと同じくらい不安になるんだよ」




その不安は私が解消するとして


私は期待させるためにいってるんだよって言ったら




どんな顔するのかな



ゴールデン・ドーン
カクテル言葉【期待と不安】

クロンダイク・ハイボール - 天童覚→←シルク・ストッキングス - 木葉秋紀



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (401 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
532人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 短編集 , はお
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

李玖(プロフ) - カクテル言葉なんてあるんですね、初耳でした!やっぱ二口しか勝たん!!! (2021年4月26日 21時) (レス) id: 2cebe15e55 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - カクテル言葉ってカックイーですね! 私は西谷さんも良いけどツッキーが一番好きです。(リエーフとかも見てみたい)長文すみません。面白かったです!頑張ってください! (2019年8月21日 21時) (レス) id: df09ac0ca3 (このIDを非表示/違反報告)
闇黒星(プロフ) - ○○言葉みたいなのを知ってる人ってなんかあこがれますね!面白いです!これからも頑張ってください! (2019年8月11日 19時) (レス) id: be843ec937 (このIDを非表示/違反報告)
は お(プロフ) - 引きこもり桜花さん» ありがとうございます!面白いという感想がほんとうにうれしいです。激励のお言葉も頂きまして本当に感謝です! (2019年8月10日 0時) (レス) id: 80e348f75a (このIDを非表示/違反報告)
は お(プロフ) - アンズさん» そう言っていただけて嬉しいです泣 新しいやつも終わるときに惜しまれるようなクオリティを目指して頑張りますので、もしよろしければ今後も応援していただけるとうれしいです、、! (2019年8月10日 0時) (レス) id: 80e348f75a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:は お | 作成日時:2019年7月25日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。