[鬼滅の刃]同僚の先輩兼恋人にとても恋慕されているんだが[宇髄天元]

『それは後でゆっくり見てください』 ページ4

『宇髄さん、可燃ごみの袋こっち置いておきますね。不燃ごみは後で入れるので、隣に置いておいてください』

「おう、サンキュー」



今年も残すところあと二日。

年末という事で家の大掃除に追われている家庭も多いだろうが、勿論うちもその一つだ。

今日は、そんな大掃除の一日目。


リビング、キッチン、玄関など、二人の共有スペースを中心に物を床に出して並べながら掃除していく。

私も宇髄さんもあれこれと物を買って来ない方なので捨てる物はさほど出ず、基本的にはハタキで埃を落として水拭きをするだけだ。



「お、この映画最近見てねぇな。公開からもう三年も経つのか。派手に懐かしいな」

『それは後でゆっくり見てください。明日はあなたのアトリエの掃除もしないといけないんですから、今日中にある程度終わらせないと』

「分かってる分かってる」



「あ、これも面白かったな」とテレビ台の引き出しからDVDを一枚一枚取り出しては手を止める宇髄さんに溜息をつきつつ、私もキッチンの戸棚を開けて食器や調理器具をダイニングテーブルに並べていく。

中を綺麗に拭いて、炭治郎くん達を呼ぶ可能性を考慮しながら必要なものと不必要なものを選別して戸棚に戻して行く。

それなりの数があった分時間もかかったので、流石の宇髄さんも自分の担当の場所の掃除は終わっていた様だった。



「はぁ〜、大掃除ってのはいつの時代でも面倒くせぇな」

『技術が発達した分楽にはなりましたよ。少なくとも、こんな寒い中廊下の水拭きをしなくていいのは有難いです』



冬に冷水に手を入れる痛みは口にしなくても分かるだろう。

昔は掃除機などなかったので長い廊下を雛鶴さん達と水拭きし回ったが、特に縁側は手の感覚がなくなった記憶がある。


取り敢えず、今日の分の掃除は終了。

明日は大変ながらも少し楽しみな宇髄さんのアトリエだ。

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