お団子の結び方【夏油傑】

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兎に角、その日は気分が悪くなって楽しみにしていたクリスマスケーキも食べずにベッドに潜った。





冬休みは始まったばかり。

何時もみたいに学校で会えないし、彼は部活があるから…


部活の時にあの子と話すのかな。

またデートの約束とかするのかな。


あの人は私に言った言葉をあの子にも同じ様に言うのかな。










その日は泣いた。

幸せは長くは続かない。


むしろ、よくここまで続いたものだ。







私は好きな人が消えてしまった悲しみを失くすために携帯にあるあの人の写真を全部消した。


データは全て消したのに、頭の中ではイルミネーションの光が当たったあの笑顔が消えなかった。












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浮気現場の事を友達に話した。

ファミレスでドリンクバーとデザートを頼み、時間のかかる私の相談に乗ってくれる数少ない友達だ。








「それヤバくない？Aにバレない部活内で浮気相手作った訳でしょ？」


『…うん、やっぱり別れた方がいいかな』


「ちょ、待って！今別れたら相手にとって都合が良すぎる！アンタやられっぱなしで良いの？」


『…悔しいけど、私に魅力が無かったのがいけないのかなって、』


「いやなんでアンタが悪いみたいになってんの、どう見てもアイツが悪いって！」










私が携帯を取り出すのと止める友達。
言い方は少しキツイけど自分の意思をちゃんと持ってて信用できる。

丁度その時に頼んでいたデザートが来た。







「…てかさ、よくアイツと付き合ったね」


『え、なんで？』


「なんでって、噂知らないの？」


『噂？』


「え、逆に聞くけどアイツの何処が良いわけ？」


『優しくて気遣いができる所…かな、』









私の回答を聞いた彼女はうわーと言って顔を手で覆う。









「マジでやってる……あのね、多分アイツはAの事が好きで猫被ってたんだよ。アプローチ？かなんかで、」


『…つまり、彼の行動は全て偽り？』


「そ、Aに良いとこ見せて両想いにさせたんだよ」


『嘘、私チョロ過ぎ…で、噂って？』


「えぇーと、あんまり大きな声で言えないんだけど…」









向かい側に座っていた彼女は私の耳にコソッと囁いた。

















「他校の子と三股してたって噂、しかも2回も」








それを聞いた私は持っていたスプーンを落としてしまった。

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