お団子の結び方【夏油傑】

▽ ページ39

五条が海の家から戻ってきた。





硝子は？と、聞けば


「席取りしてる。アイツ、ホントに面倒な事全部俺に押し付けんだけど」


どうにかしろよ。と、五条に硝子への説得を頼まれる。









ふと夏油を見ると
何もなかったかのように、普段と同じように接していた。


だけど、まだ彼の耳は赤くなっていた。

















その後

私達はご飯を食べて、遊んで、

何時も間にか日が暮れてて、



何時の間にか電車の中で寝てしまった。








「あ、起きた。」








上から夏油の声がする。

ゆっくりと顔を上げると、視界に夏油が映った。
びっくりしてバッと素早く距離を取る

自分のしていたことを理解して、また夏油に近寄る






『…っごめん！ヨダレ付いてない？』








私は夏油の肩に頭を乗せて寝ていたようだ。
うわーーどうしよ。









「平気。

まだ寝てても大丈夫だよ？駅に着いたら起こしてあげる」


『えと、今どこ？』


「乗り換えが終わって、あと2駅で降りるよ」









乗り換えが終わって、あと2駅…私すごい寝てたじゃん

えー、何時から夏油の肩に頭乗せてたんだろ。
乗り換え前も乗せてたりしないよね…


めちゃくちゃ申し訳ない。



しかも、ちょっと恥ずかしい…









『…乗り換えの時の記憶とか無いなぁ』


「ははっ、凄く眠そうにして歩いてたよ」


『えぇ…変なことしてなかった？』


「うーん、柱に頭をぶつけた事くらいかな」


『嘘！？』









恥ずかしさがレベルアップした…




夏油は今言ったことを思い出したのか、小刻みに震えながら笑っている。


そもそも何故頭をぶつけても目が覚めないんだ私は…

そして、夏油からぶつけた後も立ったまま寝たと聞いて、自分も笑ってしまう。










硝子と五条も今は寝ていて、この車両も人が少ない。
だから私達の笑い声と電車の揺れる音が、この室内に控えめに響く。






この静な空間が私達2人だけの空間になったみたいで、居心地が良く感じる。




だけど、

くだらない事で笑い合うこの関係を壊してはいけないと言われてる様で、

このままの方が卓抜していると痛感した。











赤い夕陽に照らされて笑う夏油はとても素敵なのに、



なんだかその笑顔が寂しく感じて、







『そんなに笑わないでよ』








恥ずかしさと、哀しさと、どきどきで

目頭と頬が熱くなった。



多分、夕陽の赤さでごまかせてると思う。

◇煙草の匂い→←◇隠したくなる赤い頬

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