お団子の結び方【夏油傑】

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Aの子守りを悟に任せた後








砂浜に取り残された私達は此処に来る途中、コンビニで買った酒を開け始めた。




乾杯

と、お互いの缶を軽く当てる。


一口飲んで、一息ついた後
私はちょっとした疑問を硝子に聞いた。







「硝子はAと泳がなくて良かったの？」


「いや、私は酒を飲む為に来ただけだから」


「そうか…まあ、硝子はこういう所ではしゃぐタイプじゃないよね」


「んー、面倒臭い方が勝つからね」








硝子はもう飲み干したのか、次の酒を袋から取り出す。



確かに、
硝子は花より煙草か酒だったな、と思う。


…Aは花より団子なイメージ。
桜の下でお団子を頬張るAまで想像できる。






にしても、今日のAは何時もより可愛い。


夏祭りの時は大人っぽい雰囲気だったけど、
今回はカジュアルな感じで可愛らしい。

袖のフリルが大人とは正反対の子供らしさを引き出している。








「夏油は逆に良かったの？Aと一緒じゃなくて」


「…ぇ、あ、……うーん」


「悩むんだ」








私だって、できるならAと一緒に泳ぎたかったさ。

でも、Aの水着姿を見ただけで死にそうだったのに…
一緒に泳ぐ、？


Aは泳げないから浮き輪でぷかぷか浮いてるんだよ？




そんな、

そんなの…




死んでしまう。





そんな可愛らしいAを想像しただけで顔が熱くなってきた。










「顔赤…」


「ッ仕方ないだろう！此方は自覚してからずっと意識してしまうんだから」


「おぉ、ついに気づいたか」


「あ」








硝子は顔をニヤけさせて酒を飲む。





完全にやらかした。
また死にそう。



さっきまで真っ赤だったであろう私の顔は今では真っ青に変わる。







「…で、何時から？」







まるで良い酒のつまみが手に入ったと言わんばかりに問いかけてきた。

言葉を選ぶのに迷っていると、Aの声がした。












振り向くと悟は楽しそうに、Aは少し涙目になりながら此方に走って来るのが見えた。






こんな危機的状況にも関わらず、悟に浮き輪の紐を引っ張られながらわたわた走るAを見て、



絵図が犬の散歩みたいで可愛い。


と、呑気なことを考えてしまった。

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