お団子の結び方【夏油傑】

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少し歩いて屋台が見えると子供の様にはしゃいぐ悟とA。



浴衣で歩きにくいからすぐ転びそう。

走ったら危ないよと2人に言う。



硝子は2人に呆れながらタバコ吸いたいと言った。

なにしにきなんだと言いたくなった。





悟はかき氷屋に走って行く。

硝子もそれに続く。



元気だなぁと保護者になった気分で見守る。


ただ、迷子にだけはなるなよと思う。



Aは此方に戻ってきて、

私の手を繋いだ。





えっ







『ほら、夏油も行こっ！』







私の手を引っ張る。


急な事で驚いたが、やっぱり嬉しい気持ちが勝ってしまう。






「そうだね」






私は彼女の小さな手を握り返した。









.
.
.








かき氷を食べた後、様々な屋台でお祭りを満喫していた。

まさか、輪投げであんなに多くの賞品を貰えるとは…



花火までまだまだ時間があるので皆と屋台をぶらぶら歩いて暇を潰す。





『あ、射的ある！やってみたい！』


「またまた要らない物増えるよー？」



『えー、私あれ欲しい！熊のストラップみたいの』






Aが指を指した先を見ると箱があり、
そのなかには首元にリボンが着いたAらしい色合いの小さな熊のぬいぐるみのストラップがあった。




「はい。3回勝負だよ」




絶対落とす！と自信満々に話すA。


銃を構える所までは良かったものの…


すかっ

すかっ

すかっ


一発も当たらなかった。

流石に、少し笑ってしまった。




打ち終って固まってるAの後ろ姿は面白いけどちょっとかわいい。






「残念だったねぇ嬢ちゃん」


「あんなに張り切っていたのに」


「1発も当たんないとは」


「銃向いてねぇな」


『だって初めてだったし…』






Aはしょぼんと効果音が付きそうな程落ち込んだ顔をした。

そんな顔を見て欲しかったんだなと思うと、





「…じゃあ私もやってみようかな」


「毎度ありぃ」





私が取ってあげたいと思ってしまうじゃないか。

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