愛され方を忘れた少女 第五幕【ツイステ】

叛逆ビギニング！ ページ10

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「土の…匂い？」





鏡に吸い込まれた私が見た夢は、小さな洞窟で怠惰に横たわる、あのライオンだった。





《やめろザスー。気が滅入る》





《はぁ、ムファサ様はこんな風には＿＿》





《何！いま何と言った！王はこの俺だ！》





前王はもういない。そんな彼と比較され、ライオンは激しく怒る。





すると、洞窟の入口からハイエナたちがやってくる。





《よぉ、ボス。みんな文句言ってるぜ》





《食べ物も水ももう無い。腹が減って死にそうだよ！》





干からびた土地には食物はなく、水も枯れた。彼の支配する動物たちは常に飢えていたのだ。





《俺は知らん。じゃあ、ザズーを食え》





投げやりな言葉に、以前までは慕っていたハイエナたちも小言を言う。





《チッ＿ムファサの時の方がマシだったぜ》





《フンッ、そうか。目障りだ！失せろ！》





《ウヒョヒョヒョ！》





ハイエナの1匹が笑い声をあげると、一緒に来ていた2匹と出ていった。





「比べられて怒るなら、真面目にやればいいのに」





以前の王と自分とが何故比較されるのか。





そんなの簡単、王と貴方が違うから。動物たちに尽くしてくれないから。





「王になる前のやる気を失わなければ……」





誰もが崇めてくれるような、慕ってくれるような王になれたはずなのに…………。





どうして＿＿＿＿＿＿

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