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なんで、急に………。
これぶつかるんじゃないのかな、なんて呑気に考えていると、バッと誰かが体を支えてくれた。
「おい!しっかりしろ!」
「ジャック……」
白銀の髪と大きな耳が見えた。どうやらジャックは滑り込みで支えてくれたみたいだ。
「恐らく、魔力の使いすぎだ。治癒魔法は普通の魔法よりも多くの魔力を消費するからね」
心配してくれたのか、リドル先輩が私にそう言った。
「でもユウちゃんのおかげで、こっちはみんな完全回復できちゃった!」
「ああ!ありがとう、ユウ!」
レオナ先輩と対峙しているため、こちらを向くことはないが、ケイト先輩とデュースがそう言ってくれた。
「どういたしまして……」
うまく笑えてるかな?結構疲れてるから、引き攣ってないといいんだけど。
「ユウ」
するとエースが私の前に跪き、頭にポンッと手を乗せた。
「……………ありがとな。その、助かった」
「………!うん……」
エースがこんなに素直になってくれるなんて…。普段なら揶揄うかもしれないけど、今だけは素直に受け取っておこう。
ジャックとエースは私を少し離れた場所へ移動させると、再び彼に立ち向かった。
『この役立たず!お前を引き取ってやったというのに、なんだこのザマは!!』
『私たちに呪いだけ置いていく屑が!もうこっちに来ないで!!!』
あの時から、私は一生誰の為に何も出来ないんだと思っていた。不幸だけを撒き散らす、“呪いの子”。
__それでも私、役に立てたんだね……。
薄れゆく意識の中で最後に聞こえたのは、大きな爆発音とライオンの咆哮、そしてレオナ先輩の悲痛な叫びだった。
「俺が……王……に……」
私はゆっくりと目を閉じた。
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紅葉(プロフ) - 匿名さん» うぉわ……ぜんっぜん気づかなかった、ゴメンなさい!!!!書き換えましたんで、大丈夫だと思います!教えてくれてあざます!!!これからも楽しんで読んでくれると嬉しいです! (2022年11月4日 21時) (レス) id: 3f443412c7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - こちらの物語の第五章の名前変換ができなくてデフォルト名しか表示されませんでした (2022年11月4日 21時) (レス) id: 4a8a190669 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅葉 | 作成日時:2022年7月22日 21時