▶︎ ページ18
.
「えっ？」
「やめだ。やめ」
「ちょ、レオナさん？それってどういう……」
いきなり投げやりに答えたレオナ先輩にラギー先輩は困惑する。
「バーカ。マレウスが五体満足で試合に出るなら俺たちに勝ち目があるわけねぇだろうが。そんな試合に出たって意味ねぇよ。俺は降りる」
「そ、そんな！マレウスはともかく、他寮の有力選手はみんな潰してきたじゃないッスか」
レオナ先輩の信じられない発言にラギー先輩は震える声で言った。
私だって、信じられない。
マジフト大会優勝という目的のために、多くの人を犠牲にして、それに寮生も巻き込んで……それなのにマレウス・ドラコニア1人が消せなかったからって、自分は降りる？
そんなの、あまりにも酷い……。
「レオナさんが出ないなんて3位にだってなれるかどうか……オレたちの夢はどうなるんスか？」
「どれだけ世界が注目していようが所詮は学生のお遊びだ。お前らが目ぇキラキラさせて夢語ってんのが可笑しくて、少し付き合ってやっただけだろ」
「なんで……？オレたちで、世界をひっくり返すんじゃなかったんスか！？」
ああ、きっとラギー先輩はレオナ先輩のことを心から信じていたんだろう。
一緒の目的のために、必死に努力して、頑張ってきたのに、あっさり見放されて……それが簡単に受け入れられるわけがない。
「キャンキャンうるせぇな……じゃあ本当のことを教えてやるよ。
お前はゴミ溜め育ちのハイエナで俺は永遠に王になれない嫌われ者の第二王子！何をしようが、それが覆ることは絶対にねぇ！」
第二王子………。
レオナ先輩には兄弟がいて、新しい子が生まれたのだろうか。
そうなれば、王位を継ぐ者はその子ということになり、レオナ先輩が王になれることは一生ない。
「ふ……ふざけんなよ！なんだよそれ！ここまできて諦めるなんて……」
「そりゃあんまりだ、レオナさん！」
「ブン殴ってでも試合に出てもらうぜ！」
レオナ先輩の言葉に騒ぎ立てるサバナクロー寮生。事の発端である、レオナ先輩は忌々しそうにしながら叫ぶ。
「あぁ……面倒くせぇ。黙れよ雑魚ども！」
＿＿＿ポタポタポタッ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 44人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅葉(プロフ) - 匿名さん» うぉわ……ぜんっぜん気づかなかった、ゴメンなさい！！！！書き換えましたんで、大丈夫だと思います！教えてくれてあざます！！！これからも楽しんで読んでくれると嬉しいです！ (2022年11月4日 21時) (
レス) id: 3f443412c7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - こちらの物語の第五章の名前変換ができなくてデフォルト名しか表示されませんでした (2022年11月4日 21時) (レス) id: 4a8a190669 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅葉 | 作成日時：2022年7月22日 21時
