第2タワー 2話 ページ4
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Lou side
ジャミルがプレイした『ヒドラの逆襲』。しかしそれは、俺やレオナがやった時よりも、格段に難易度が跳ね上がったものだった。
経験のある俺たちならまだしも、初体験のジャミルが……他のゲームにも一切手をつけなかった彼がクリアできるはずもなく、簡単にゲームオーバーとなってしまった。
「はははっ!ダセえな、即ゲームオーバーじゃねえか」
「ちょっと待て!!なんだ今のゲームは、レオナ先輩たちがやってたときよりずっと難しくなってるじゃないか!」
ジャミルの言う通りだ。だけど、オルトがゲームをクリアすればこの先へ行ける、という発言と妙に納得できるところもある。
『当たり前だよ。同じことをやったって、面白くないでしょう?』
「あれだけしゃしゃっておいてそのザマか?口ほどにもねえな」
「あなた、どっちの味方なんですか!?」
「レオナ、大人気ないぞ」
オルトと一緒になってジャミルを揶揄うレオナ。余裕があるのはいいことだが、年下をいじめていい理由にはならないからな。
「しかし、負けてしまったのは俺の責任です。万が一の時には、この命に変えても……!」
「大袈裟な……」
『そんなにシリアスにならないでよ。ゲームは楽しくやらなきゃ。でしょ?』
従者という役職もあり、ジャミルは何をする分からないところがある。世界救出企画の序盤でリタイアされるのも、彼がやられるのも困る。
『しかたないから、難易度を下げてもう一回プレイさせてあげる!さあ、もう一度コントローラーを握って!』
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作者名:紅葉 | 作成日時:2023年4月21日 21時