第3タワー 4話 ページ15
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Shu side
「リドルさん！さっきから言っていますが、単独で先行するのはやめてください」
リドルの異常に早い歩きに、息を切らしながらついていくアズール。オレは少し後ろから、彼らの様子を見守るように降りる。
「なぜだい？このチームの先導役はボクだ。ボクが先頭に立ち進むべきだろう」
「そういうことではなく。もう少し慎重に行動してくださいと言っているんです。基本的に『タルタロス』は一本道とはいえ……すでに凍結が解除され、壁の亀裂や竪穴に潜んでいるファントムが飛び出してくる可能性もある」
「このボクがその程度の奇襲に遅れをとるとでも？」
「自信があるのは結構なことですが、僕たちは対ファントムの戦闘訓練を受けたことはない。未知の敵には警戒してしかるべきです」
「キミの言うことをはもっともだ。けれど……ボクらはもう兎の穴に入ってしまった。ボクらの後ろに帰り道はない。ならばビクビク進んでも堂々と進んでも同じことだろう？」
なるほど。アズールの未知に対する慎重な考えも、リドルの一刻も早い目的達成への姿勢も、どちらも一理ある。
しかしお互いがその考えに執着しすぎているから、今みたいなぶつかり合いが起こる、ってことか。
「だとしても……勇敢と無謀は紙一重ですよ、リドルさん」
「慎重と臆病も紙一重だよ、アズール。それに、緊急事態発生時についての教本には『敵を恐れろ』とは書かれていなかった。ボクはそれに従っているだけさ」
「あなた、マニュアルに書かれていることならなんでも従うんですか？『まずは攻撃を受けてみて、敵の実力を測りましょう』と記載されていたらどうするんです？」
「従うよ。それが
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年4月21日 21時
